実際には事件やスクープを追うフリーランスのライターは、ごくわずかしかいないし、一部の羽振りの良い美容ライターや医療系ライターを除くと、小さな仕事を、地道に、かなりの数こなしている人が圧倒的多数だと思う。
それは地味ながら、幸せな生き方だとも思う。
だが、もし「フリーランスのライターになりたい」と親しい友人や身内が言ったら、勧めない人も多いだろう。特に注意が必要なのは、「お金」にまつわる問題だ。
出版社の場合は、雑誌や書籍が出た翌月、翌々月末などにギャラが振り込まれることが多いため、「お金が入るまで時間がかかる」ことは比較的知られているが、その他に、同業者からよく聞く注意点をご紹介したい。
●「金額」は提示されない場合も多い
○広告系やウェブ系の仕事の場合は、単価を事前に提示され、請求書を発行する場合が多いが、出版社の場合は「金額を詳らかにしない」というヘンな風習がある。
「振り込まれて初めて金額がわかることもけっこうある。その場合、合計額から頁単価を計算してみるしかない」
○明細を発行しない会社もけっこうある。
「同じ出版社内の複数媒体で仕事していたり、同じ雑誌内の複数企画を手掛けていたりすると、どれがいくらかわからず、場合によっては忘れられている仕事もあったりする」
●ときには立て替えた経費のほうが、ギャラよりも高くなる