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文章というのは魔法になるのだ。いわゆる悪文だが伝わる吉田健一の洗練

       
池澤夏樹=個人編集《日本文学全集》(河出書房新社)の第1期第6回配本は、第20巻『吉田健一』。いわゆるヨシケン、あるいは「健坊」である。
文章というのは魔法になるのだ。いわゆる悪文だが伝わる吉田健一の洗練
『吉田健一』 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集20) 河出書房新社
年譜=島内裕子、月報=松浦寿輝+柴崎友香、帯装画=林哲夫。

5期にわたって首相を務め「バカヤロー解散」でも知られる白足袋宰相・吉田茂の息子である。ヨーロッパ育ちのバリバリの帰国子女だ。
首相の息子と聞くと小泉孝太郎みたいな坊っちゃんイメージを持ってしまうが、ヨシケンにかんして言うなら、金銭的な援助を受けなかったようで、戦後すぐの貧乏話もファンのあいだでは語り草だ。
ファン、なんてだらしない言いかたをしてしまった。この池澤版日本文学全集のレヴューもこれで6回目で、いままでの配本でも中上健次や漱石、福永武彦、柳田國男など僕の「大好き」な人たちが登場したけれど、この吉田健一(1912-1977)にかんしてだけは、

「ファン」

なんです〜、とでれでれしてしまわないよう、いま必死にこらえている。むかし《ユリイカ》で吉田健一特集をやったとき、寄稿しただけでなく主要著書解題頁の編者を務めさせてもらったのがいい思い出です。

考えを進める動きをそのまま文章に残した結果



吉田健一の業績のなかで量的に大きいのが批評と翻訳、でも随筆も多いし小説家でもある。読んでるとどれも「いま・ここ」を楽しむ精神が鼓舞されて、気分がのびのびしてくる。
収録作はこちら。

批評
『文学の楽しみ』(1967。集英社版『吉田健一著作集』第14巻および新潮社版『吉田健一集成』第2巻所収)

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2015年5月29日のレビュー記事

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