毎週様々な芸能人がプレゼンターを務め、『ギミア・ぶれいく』から引き継がれた「史上最強のクイズ王決定戦」や「史上最大のドミノ倒し」を始め、バラエティ豊かな内容が目白押しだった。
筆者的には一連のUMA(未確認生物)探索企画がとりわけ思い出深い。そう、伝説の生き物を追い求めるロマンあふれる探検ものである。
中でもインパクトがあった3つの企画をご紹介しよう!
92年10月放送「アフリカ・コンゴ密林奥地にモケーレ・ムベンベは実在した!」
アフリカのコンゴ共和国の北部にあるリクアラ湿地帯には、コンゴ政府すら足を踏み入れたことがない広大なジャングルが広がっているという。
そこにある小さな湖、テレ湖を始め、その周辺でたびたび目撃されているのがモケーレ・ムベンベだ。
体長10mほどもあり、首と尾は蛇のように長い。皮膚は無毛で、4本の短く太い足を持つとされる。つまり、アパトサウルスに代表される4足歩行の首の長いタイプの恐竜のような姿である。
テレ湖の水面から首と背中のようなものが見えたなどの目撃情報を元に、番組でも恐竜の生き残り説を全面に押し出して捜索。不鮮明な映像ながら、水面に何か黒く細長い影が写っている映像が公開されたのが、番組のクライマックスとなる。
しかし、後にこの映像はテレビ局側のヤラセだと判明したようだ。残念……。
アパトサウルスは体長が20m以上もあるため、環境に順応するために小型化したのでは?と推測する説もあるが、以前は水棲恐竜とされていたこの恐竜も、後に陸棲であったことが明らかに。おまけに、テレ湖の水深は2mほどしかない。
ロマンあふれる学説は、もはや現在では通用しないようである。
「サイの見間違い説」「ニシキヘビ説」などが支持されているようだが、この地域は人智が及ばない過酷な大自然に守られている土地なのも事実。新種の生物が生息している可能性はまだまだ高いのである。
94年9月放送「20世紀最大の大発見!体長15m肉食恐竜ミゴー捕獲!!」
パプアニューギニアのニューブリテン島にあるダカタウア湖には、約200年前から巨大な水棲生物が生息しているという。
馬のようなたてがみ、亀のような手足、ワニのような尾、カマスのような鋭い歯を持つとされるその生物の名はミゴー。
恐竜図鑑を使った現地民の聞き込みによると、モササウルスに類似しているようだ。
番組では、湖面から姿を現したミゴーの撮影に見事に成功。頭や尾の感じもわかるぐらいにとらえた大スクープ映像は、30秒近くに渡っていたと記憶している。
しかし、こちらもイリエワニを使ったヤラセ疑惑が根強いようである。トホホ……。
このダカタウア湖はアルカリ性が強く、魚が住む環境には適していない。エサが少ないのに巨大水棲生物がいるのだろうか。
しかし、湖と海がつながっている可能性も否定できず、近海でのミゴー目撃情報もあるという。
その正体はイリエワニではない未知の生物であると信じたいのである。
95年11月放送「イギリス・ウェールズ・バラ湖に地球最後の恐竜テギーを追う!」
イギリスのウェールズ地方、グィンネズ山地にあるバラ湖にいるとされる水棲生物。70年代から目撃情報が相次ぐ、いわゆるネッシータイプのUMA、それがテギーだ。
「モケーレ・ムベンベは実在した!」「肉食恐竜ミゴー捕獲!!」と、力強く断言した(発見できていないし、捕獲できてないけど…)2作に比べ、「地球最後の恐竜テギーを追う!」と控えめなタイトルだったとおり、存在の痕跡にはたどり着けなかったと記憶している。ガックリ……。
ただし、バラ湖には、1万年前の氷河期時代に湖に取り残され、そのまま現代まで生き残ったとされる小型の古代魚の一種が生息している。そう思うと、テギーが実在する可能性は高いのかも知れない!?
今回紹介した企画はそれぞれ順に、天宮良、名高達男、大鶴義丹が探検隊長を務めていた。
基本、単発企画のため、それぞれのキャラは薄かったかも知れないが、80年代の「川口浩探検隊シリーズ」、00年代の「藤岡弘、探検隊シリーズ」の間をつなぐのはこの番組だと断言したいのである。
……なんて記事を執筆している中、アメリカの研究団体により、ネパールとチベットをまたぐヒマラヤ一帯に生息するといわれる雪男「イエティ」の正体が「クマ」であるという最新の調査結果が発表された。
むむむ……そんな話は信じないぞ! そう、今こそ、ロマンを追い求める探検番組復活のときである。
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