『やすらぎの郷』『トットちゃん！』という濃い枠を引き継いではじまった帯ドラマ劇場・第3弾『越路吹雪物語』（テレビ朝日・月〜金曜12:30〜）。
今も現役で活躍している黒柳徹子と比べると、「伝説の」感の強い今回の越路吹雪。
昭和の歌姫であったこと、「愛の賛歌」や「ろくでなし」といった代表曲はよく知っているものの、越路吹雪自身のパーソナリティについては正直よく知らない。
帯ドラマ劇場がターゲットとしているシニア層の人たちにとっては「お馴染みの」なんだろうけど。
今でいったら、浜崎あゆみ辺りの人生がドラマ化されるみたいなもんだろうか？
ま、しかし、黒柳徹子がどんな人生を送ってきたのか概要がつかめていた『トットちゃん！』よりも純粋にドラマとして楽しめそうだ。
『トットちゃん！』の序盤もかなり朝ドラ感が強かったが、今回の『越路吹雪物語』もだいぶ朝ドラ。
大人の越路吹雪（大地真央）による「愛の賛歌」熱唱からはじまり、子ども時代の回想へ。
歌が大好きだけど勉強は嫌い。おてんばでよく転ぶ（バターンと大の字に）主人公。身体の弱い姉。娘に甘い父（尾美としのり）。厳しいけれど本当は優しい母（濱田マリ）。東京から新潟への引っ越し。下宿先のいい味出してるおばちゃん（宮崎美子）。そして転校先でいじめられ……。
『わろてんか』が打ち切りになって新しい朝ドラがはじまったのかと思うくらいの朝ドラっぷりだ。
あまり朝ドラを意識しないで、『やすらぎの郷』のような独自路線で突っ走って欲しいとも思うが、「女の一代記」的なテーマとなると、どうしても朝ドラっぽい構成になっちゃうのだろうか。
そんな本作の大きな特徴は、昭和の歌姫・越路吹雪が主人公だけに、やはり「歌」。
子ども時代の子越路吹雪・河野美保子（岩淵心咲）は学校の廊下、授業中、家と、いたるところで歌い出してしまうというちょっとアレな子なのだが、とにかくその歌がメチャクチャ上手い。
というのも岩淵心咲ちゃん、新人かなーと思いきや、10歳にして既にミュージカル『赤毛のアン』や『不思議の国のアリス』で主役を務めた経験があるスゴイ子役だったのだ。
やたらと上手いだけに、明らかに場違いな場所でも歌ってしまう美保子のアレな子っぷりが際立つのだが。
そして、大人・越路吹雪を演じる大地真央の「愛の賛歌」は、宝塚歌劇団の後輩だけに、さすがに熱が入りまくっていて圧倒された。
あのド迫力な越路吹雪が毎回見られると思うと、大人時代が描かれるのが今から楽しみだ。
ちなみに「愛の賛歌」に乗せて朗読された「越路吹雪よ、淋しくはないか〜」という詩は、越路吹雪のマネージャーであるとともに、「愛の賛歌」「ろくでなし」といった名曲の訳詞をはじめ、作詞家としても活躍した岩谷時子（市毛良枝）が、越路吹雪の百か日法要で発表した「眠られぬ夜の長恨歌」からの抜粋。
今後は、シャンソン歌手としてスターダムに上り詰めていく越路吹雪と、それを支える岩谷時子の絆を軸としてドラマが進んで行くのだと思われるが、「眠られぬ夜の長恨歌」の内容を踏まえると、悲しい別れまで予想出来てしまい、いきなり泣ける。
第1週は、子ども時代ということもあり、登場人物や時代背景の説明という側面が強く、あまりストーリーは展開していなかったが、押さえておくべきポイントは、新潟ではじめて出来た親友・片桐八重子（神尾翠優）との出会い。
そして、父親に買ってもらったブローチをいじめっ子に捨てられてしまい、吹雪の中、ずっと探していたというエピソード。
これが後に「越路吹雪」という芸名の由来となるようだ。
第1週の最後では、少女時代〜の越路吹雪を演じる瀧本美織も登場。
今回の『越路吹雪物語』において、大地真央が越路吹雪を演じるというのはしっくりくるのだが、「瀧本美織が越路吹雪!?」というのには若干違和感があった。
もう少女時代を演じるほどフレッシュな感じもないし、かといって大地真央のようなド迫力タイプでもないし……と思っていたのだが、自転車を走らせながら熱唱する（そしてバターンと大の字にスッ転ぶ）田舎の高校生・河野美保子を演じる瀧本美織（26）は完全にフレッシュの塊だった。今からもう一回、朝ドラのヒロインやれるよ！
越路吹雪の絶頂期を演じる大地真央、ナレーションの真矢ミキをはじめとして、宝塚関係者が続々出てきそうな、プレッシャーのかかる本作で、瀧本美織がどんな風に越路吹雪へと変貌していくのかも見どころだろう。
（イラストと文／北村ヂン）
・テレ朝動画
＜キャスト＞
大地真央、瀧本美織、岩淵心咲、市毛良枝、木南晴夏、吉田栄作、濱田マリ
尾美としのり、渡邉このみ、佐戸井けん太、原日出子、宮崎美子、市川由衣、中村俊介
製作総指揮：五十嵐文郎（テレビ朝日）
演出：藤田明二（テレビ朝日）、今井和久（MMJ）ほか
脚本：龍居由佳里
プロデューサー：藤本一彦（テレビ朝日）、布施等（MMJ）
今も現役で活躍している黒柳徹子と比べると、「伝説の」感の強い今回の越路吹雪。
昭和の歌姫であったこと、「愛の賛歌」や「ろくでなし」といった代表曲はよく知っているものの、越路吹雪自身のパーソナリティについては正直よく知らない。
帯ドラマ劇場がターゲットとしているシニア層の人たちにとっては「お馴染みの」なんだろうけど。
今でいったら、浜崎あゆみ辺りの人生がドラマ化されるみたいなもんだろうか？
ま、しかし、黒柳徹子がどんな人生を送ってきたのか概要がつかめていた『トットちゃん！』よりも純粋にドラマとして楽しめそうだ。
イラスト／北村ヂン
また朝ドラっぽいぞ、この昼ドラ
『トットちゃん！』の序盤もかなり朝ドラ感が強かったが、今回の『越路吹雪物語』もだいぶ朝ドラ。
大人の越路吹雪（大地真央）による「愛の賛歌」熱唱からはじまり、子ども時代の回想へ。
歌が大好きだけど勉強は嫌い。おてんばでよく転ぶ（バターンと大の字に）主人公。身体の弱い姉。娘に甘い父（尾美としのり）。厳しいけれど本当は優しい母（濱田マリ）。東京から新潟への引っ越し。下宿先のいい味出してるおばちゃん（宮崎美子）。そして転校先でいじめられ……。
『わろてんか』が打ち切りになって新しい朝ドラがはじまったのかと思うくらいの朝ドラっぷりだ。
あまり朝ドラを意識しないで、『やすらぎの郷』のような独自路線で突っ走って欲しいとも思うが、「女の一代記」的なテーマとなると、どうしても朝ドラっぽい構成になっちゃうのだろうか。
大地真央演じる越路吹雪がド迫力過ぎて期待大
そんな本作の大きな特徴は、昭和の歌姫・越路吹雪が主人公だけに、やはり「歌」。
子ども時代の子越路吹雪・河野美保子（岩淵心咲）は学校の廊下、授業中、家と、いたるところで歌い出してしまうというちょっとアレな子なのだが、とにかくその歌がメチャクチャ上手い。
というのも岩淵心咲ちゃん、新人かなーと思いきや、10歳にして既にミュージカル『赤毛のアン』や『不思議の国のアリス』で主役を務めた経験があるスゴイ子役だったのだ。
やたらと上手いだけに、明らかに場違いな場所でも歌ってしまう美保子のアレな子っぷりが際立つのだが。
そして、大人・越路吹雪を演じる大地真央の「愛の賛歌」は、宝塚歌劇団の後輩だけに、さすがに熱が入りまくっていて圧倒された。
あのド迫力な越路吹雪が毎回見られると思うと、大人時代が描かれるのが今から楽しみだ。
ちなみに「愛の賛歌」に乗せて朗読された「越路吹雪よ、淋しくはないか〜」という詩は、越路吹雪のマネージャーであるとともに、「愛の賛歌」「ろくでなし」といった名曲の訳詞をはじめ、作詞家としても活躍した岩谷時子（市毛良枝）が、越路吹雪の百か日法要で発表した「眠られぬ夜の長恨歌」からの抜粋。
今後は、シャンソン歌手としてスターダムに上り詰めていく越路吹雪と、それを支える岩谷時子の絆を軸としてドラマが進んで行くのだと思われるが、「眠られぬ夜の長恨歌」の内容を踏まえると、悲しい別れまで予想出来てしまい、いきなり泣ける。
瀧本美織、もう一回朝ドラヒロインやれるよ！
第1週は、子ども時代ということもあり、登場人物や時代背景の説明という側面が強く、あまりストーリーは展開していなかったが、押さえておくべきポイントは、新潟ではじめて出来た親友・片桐八重子（神尾翠優）との出会い。
そして、父親に買ってもらったブローチをいじめっ子に捨てられてしまい、吹雪の中、ずっと探していたというエピソード。
これが後に「越路吹雪」という芸名の由来となるようだ。
第1週の最後では、少女時代〜の越路吹雪を演じる瀧本美織も登場。
今回の『越路吹雪物語』において、大地真央が越路吹雪を演じるというのはしっくりくるのだが、「瀧本美織が越路吹雪!?」というのには若干違和感があった。
もう少女時代を演じるほどフレッシュな感じもないし、かといって大地真央のようなド迫力タイプでもないし……と思っていたのだが、自転車を走らせながら熱唱する（そしてバターンと大の字にスッ転ぶ）田舎の高校生・河野美保子を演じる瀧本美織（26）は完全にフレッシュの塊だった。今からもう一回、朝ドラのヒロインやれるよ！
越路吹雪の絶頂期を演じる大地真央、ナレーションの真矢ミキをはじめとして、宝塚関係者が続々出てきそうな、プレッシャーのかかる本作で、瀧本美織がどんな風に越路吹雪へと変貌していくのかも見どころだろう。
（イラストと文／北村ヂン）
『越路吹雪物語』動画は下記サイトで配信中
・テレ朝動画
『越路吹雪物語』キャスト、スタッフ、主題歌
＜キャスト＞
大地真央、瀧本美織、岩淵心咲、市毛良枝、木南晴夏、吉田栄作、濱田マリ
尾美としのり、渡邉このみ、佐戸井けん太、原日出子、宮崎美子、市川由衣、中村俊介
製作総指揮：五十嵐文郎（テレビ朝日）
演出：藤田明二（テレビ朝日）、今井和久（MMJ）ほか
脚本：龍居由佳里
プロデューサー：藤本一彦（テレビ朝日）、布施等（MMJ）
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