『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜』(フジテレビ系・木曜22:00〜)第6話。

夫は不倫相手と遂にベッドイン。
娘は婚約中だというのに大学時代の恩師の不倫にズブズブ。で、妻は娘の婚約者とキスをしちゃうという、だいぶ煮詰まってきた瀧沢家。

さらに深みにハマッていく。
「黄昏流星群」娘の婚約者から告白され「私の事いくつだと思ってるの」って年齢の問題じゃないよ!6話
イラストと文/北村ヂン

娘の不倫相手の気持ちに共感してしまう完治


不倫相手・目黒栞(黒木瞳)の母親が亡くなったばかりだというのに、葬式の夜に家へ押しかけて、とうとう性交に成功した瀧沢完治(佐々木蔵之介)。

ここまででもだいぶ不謹慎だが、さらにそのまま宿泊&一緒に朝食。

ふたり用の食卓に向かい合って座り、新婚夫婦のように微笑み合う。初々しくて結構なことだが、その席も茶碗も箸も、さっきまで寝ていた布団も、亡くなったばかりのお母さんが使ってた物じゃないの!?

「不思議ですね、お葬式の次の朝だっていうのにこうやって瀧沢さんと一緒に朝ご飯を食べているなんて。一生忘れません」

とか浮かれている場合じゃないよ!

完治の方も、自宅への帰り道で朝日を見ながら、

「キレイだ、全部が輝いている。こんなこと俺の人生にはもうないと思っていた!」

なんて感動しちゃってるし。アラフィフにして、不倫にドハマリしちゃったご様子だ。

これまで出世を目指して仕事一筋で生きてきたのに出世の目は消え、家庭内もイマイチ上手く行っていない中で出会った女性。運命を感じて、タガが思いっきり外れちゃったんだろうな……。

それを、完治自身にも再確認させてきたのが、娘・美咲(石川恋)の不倫相手である大学教授の戸波恭平(高田純次)。


自分はだいぶ浮かれた感じで不倫の真っ最中だったとしても、娘が不倫をしていたらやめさせたい……という気持ちで戸波の元に文句を言いに行った完治。

この戸波が、だいぶ浮世離れした変わり者らしく、手を出した教え子の父親がやって来たというのに、わざわざ自宅に招いたり、自分の研究について語ったり。

さらには、自分と美咲との関係についてこんなことを言っていた。

「ふたりの軌道がたまたますれ違った。何万分の一の確率で夜空の星と星がすれ違うみたいにね」
「私にはかけがいのない時間だった。人生にはこんなこともあるんですね」

いいこと言っている風ではあるが、要は若い教え子とスケベなことができて超ラッキー的な発言。

父親だったらぶん殴りたいところだが、完治は思いっきり共感してしまったようだ。

運命的に「たまたますれ違った」。栞との関係を、完治はそんな風に考えているということだろう。

同じ恋愛にドハマリしつつも、この辺に、家庭を持っている完治と、結婚歴がない上に唯一の肉親だった母親まで亡くしてしまった栞との認識の違いがあるように思えてならない。

「私の事いくつだと思ってるの」って年齢の問題じゃないよ!


いきなり外泊するなど、明らかにおかしい完治の様子から、不倫を確信してしまった(そりゃそうだ)妻・真璃子(中山美穂)。

しかし真璃子の方も、娘の婚約者・日野春輝(藤井流星)ツーショット写真を見ながらキスを思い出しちゃっているのだ(娘が間近にいるのに!)。

夫の不倫に怒りを覚えつつも、自分は自分で他の男にドキドキしてしまうというのはどういう感情か。


そして今週も春輝くんは、だいぶサイコパスっぷりを見せてくれた。

美咲が急遽出張(と言いつつ、教授との不倫旅行)に行ってしまったため、真璃子が代わりに結婚式場の下見に行く……というのまでは理解できるとしても、チャペルの中で婚約者の母親(真璃子)と腕を組んでバージンロードを歩き出す(ニコッ)とは!

さらに、

「真璃子さんのウェディングドレス姿、きっとキレイだったでしょうね。真璃子さんだったら今でも似合いますよ、きっと」

なんて言って、ドレスを試着させようとするなんて……だいぶどうかしている!

挙げ句、

「僕にも他に好きな人がいます。アナタですよ! 僕が好きなのは真璃子さんです」

わー、遂に告白しちゃった!

完治×栞、美咲×教授と、不倫カップルだらけになっている瀧沢家の中でも、一番ヤバイ、真璃子×春輝という組み合わせ。先週のキスに続き、さらに一歩踏み出してしまった。

ドキドキしつつも、さすがにこれは拒否する真璃子だったが、

「おかしいでしょ、そんなの。私の事いくつだと思ってるの」

……年齢の問題じゃないよ! 娘の婚約者やぞ!

これまで、ドラマ中で流れる挿入歌は、真璃子のドキドキシーンでは中島美嘉。完治たちのちょっと切ない不倫シーンでは平井堅というパターンが多かったのだが、今回の告白シーンでは中島美嘉〜平井堅のメドレー!

真璃子と春輝の気持ちがどれだけ盛り上がっちゃっているのか、分かるというものだろう。


もはや、どう収拾したらいいのやら状態となっている瀧沢家。

3人ともそれぞれ意中の相手がいて、納得しているんだったら、もうそういう家族ということで、不倫カップル3組で幸せにやっていけばいいという感じもするのだが……。

そうは言っても、やはり娘の不倫はやめさせたい完治は、いいかげん別れるように説得するが、

「その代わり約束して。お父さんもあの人と別れて!」

チャララララ〜ンみたいな悲壮な音楽が流れてきたけど、お互いに不倫しているのがバレているんだから、そりゃあ、そのくらいの交換条件は出されるだろうよ。
何、意外そうな顔しているんだ、完治!

「結婚と恋愛は別」と割り切っている美咲とは違って、アラフィフにして恋愛の深みにハマッてしまっている最中の完治が、栞と別れるのは難しそうだが……。
(イラストと文/北村ヂン)

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『黄昏流星群〜人生折り返し、恋をした〜』(フジテレビ)
原作:弘兼憲史『黄昏流星群』(小学館刊)
脚本:浅野妙子
演出:平野眞、林徹、森脇智延
主題歌:平井堅「half on me」(アリオラジャパン)
音楽:得田真裕
チーフプロデューサー:高田雄貴 (フジテレビ)
製作著作:フジテレビ
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