『キワドい2人』神崎(山田涼介)と黒木(田中圭)のほのぼの刑事モノと思いきやそれだけじゃなさそう1話
イラスト/ゆいざえもん

正反対な2人がバディを組む『キワドい2人-K2-』

「キワドい」とは何か。

山田涼介と田中圭がバディの刑事を演じるキワドい2人-K2- 池袋署刑事課神崎・黒木(TBS系 毎週金よる10時〜)が始まった。

原作は『ルパンの娘』の横関大による『K2-池袋署刑事課神崎・黒木』(講談社)。
正しいことを守ろうとする生真面目なキャリア刑事・神崎隆一(山田涼介)と、事件を解決するためにはルールを破っても構わない、その結果、検挙率NO1を誇る刑事・黒木賢司(田中圭)。この正反対な2人がバディを組み、ことあるごとにぶつかり合っていく。

正反対の刑事のコンビという設定はスタンダード。でもこのドラマにはひと味違う味付けが施されている。2人は“異母兄弟”なのである。

タイトルにある「キワドい」とは「異母兄弟」のことだった。公式サイトにも書いてある設定だからネタバレではない、前提設定と思って書いておく。

冒頭、池袋の夜の街、黒木が何者かに襲われている。そこから一転、明るくさわやかな朝、神崎が古い日本家屋から初出勤。蕎麦職人のお父さん・賢造(椎名桔平)に電話し、猫に見守られて出かけていく。途中、お年寄りのお世話をしていて遅刻するはめに、汗だくで先輩たちに挨拶。

「至誠一貫」がモットーの神崎とバディを組むのは、仕事はできるが私生活は危うい黒木。
この日も署に出てきていなくて、神崎は黒木を探しに行く。これが初任務。

前の晩、一緒だったガールズバーの店員・萱島麻衣(関水渚)の家を訪ねると、家の前に血痕と血まみれの黒木の警察手帳を発見。誘拐されたのではと心配する神崎に、「会議室から現場に出て踊る気持ちもわからなくはないんだけども」と『踊る大捜査線』を思わせるセリフを言って、係長の末長(八嶋智人)が笑う。だが、事実、黒木は誘拐、監禁されていた。萱島麻衣と共に。

ケータイのGPSから監禁場所を見つけて(なんて簡単!)、駆けつけると火事。神崎がのんきにセオリー通りにものごとを進行しようとするので、黒木がキレる。その拍子にガス漏れ発生。このままでは引火して大惨事になる。黒木は「混ぜるな危険」の物質を混ぜてイチかバチか火消しをしようとする。

「混ぜるな危険」
神崎と黒木が「混ぜるな危険」な正反対の者同士。


せっかく火は消えたのに、おしゃべりしていて、麻衣が再び誘拐されてしまう。なんてのんきな展開。

2人は「ベビーフェイス」(神崎のこと)、「塩顔ハラスメント」(黒木のこと)と反発しあいながら、麻衣の捜査に出る。そこで判明したのは、捕まった麻衣は偽物。氏原彩乃17歳。彼女は大企業の社長(マキタスポーツ)の娘と偽っていたのだ。

彩乃の実家に行くと、父親(小林隆)は足を怪我して働けないでいた。実家には父と2人仲睦まじそうな思い出がたくさん残っているが、働けない父に愛想をつかして彩乃は家出をしていた。

仕事現場で怪我をしたにもかかわらず職場がとりあってくれないという低賃金労働者の悲劇を真摯に聞いて目をうるうるさせて同情する神崎。一方、黒木はクールに状況を観察、あることに気づいていた。

神崎と黒木のほのぼの刑事モノ……ではなさそう

犯人を捕まえるため、ホンモノの娘が捕まったフリをして身代金の受け渡しを行うが、犯人にその作戦がバレバレ。池袋の街を「逃走中」みたいな追走劇。クライマックスは水族館の生簀での水中救出。
水に飛び込んだ黒木と神崎は手をつなぐ。

事件の流れがどうもゆるく、こんなに簡単に見つかったり助かったりするものだろうかと思って見ていたら、なるほどナットク、彩乃による狂言誘拐であった。彼女は、萱島建設で働いて怪我し、保証してもらえなかった父の復讐を行ったのだ。

彩乃が父親の腕時計をしていることで父への想いを確信する神崎。彼もまた父に譲られた時計を大切にしているから、その気持ちがわかるのだ。そしてその時計に黒木は見覚えがあって……。

黒木の父も同じものをしていた。この人のいい新人刑事は自分の弟であると知った黒木は、神崎の家に住むことにする。

バディで兄弟、家も職場も一緒の相当密な関係の神崎と黒木のほのぼの刑事モノ? と思いきや、黒木のフラッシュバックが気になる。なにやら深刻な事件が過去にあったようで、神崎が4歳くらいの頃、頭を打ってそのときの記憶がないというのも気になる。

蕎麦屋の賢造は元・池袋派出所勤務。なぜ蕎麦屋になった……。
と謎を残して2話へ――。神崎と黒木にはまだまだキワドい秘密がきっとある。

『キワドい2人』神崎(山田涼介)と黒木(田中圭)のほのぼの刑事モノと思いきやそれだけじゃなさそう1話
第2話は9月18日放送。画像は番組サイトより

舞台は池袋 「ぶくろサイコー」

池袋の街でふんだんにロケをしていて、ロケ地めぐりしたくなる。池袋を舞台にしたドラマといえば『池袋ウエストゲートパーク』(00年)。山田の事務所の先輩・長瀬智也が主人公で「ぶくろサイコー」と大暴れしてたっけ。

あれから20年、池袋もずいぶん変わった。西口なんて全然違う。西口公園はすっかりクリーンな場所になっている。でもギャングはないが半グレが裏を仕切っている。

長瀬演じるマコトがまだ地元にいたら、20歳、年をとっていいおじさんになっているだろうか。窪塚洋介演じるキングはインスタライブしているのか(現実とドラマを混同しています。混ぜるな危険)。
(木俣冬)

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番組情報

TBS 金曜ドラマ『キワドい2人-K2-』
毎週金曜よる10:00〜10:54
番組サイト:

https://www.tbs.co.jp/kiwadoifutari_TBS/
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