■お金の価値を子どもに伝える 日常でできる「声かけ」
子どもに「お金」についてどう教えればいいのか? これは実は、私も中学生になったばかりの息子がいる身ですから、現在進行形で試行錯誤をしながら取り組んでいるところです。
まず、息子が幼い頃にしたことといえば、実物のお金――硬貨や紙幣を見せて、買い物で使う機会をつくるようにしていました。薄くて軽い1円玉、1円玉よりも大きくて銀色でキラキラとした100円玉、さらに大きくて金色の500円玉……幼い子どもでも、硬貨を比べて見れば、直感的に「どちらの価値が高いか」は感じ取れると思います。幼い頃から硬貨や紙幣を見て触れて、スーパーの買い物などで親の代わりに支払う経験を何度かさせておくのはおすすめです。「お金」がグッと身近なものになると思います。
今はキャッシュレス決済が主流になりつつある時代ですから、リテラシーとしてキャッシュレス決済も同時に教えておく必要があると思います。たとえば、塾や習い事に行くとき、改札を通って電車に乗ったり、自販機で飲み物を買ったりするとき、電子マネーで支払うと便利ですから。
ただし、キャッシュレス決済は、子どもが「お金を払っている」という実感を持ちづらいというデメリットがあります。お金の価値やありがたみは、現金に触れることで直感的にわかる部分もありますから、物理的なお金を見て、触れておく経験は大切だと思います。
子どもに硬貨や紙幣を見せるとき、「お金は、モノやサービスを提供してもらったことに対して、感謝のしるしとして、支払う対価」であると教えるのがよいと思います。また、「(仕事を頑張るなど)努力によって得られるもの」であることも併せて伝えられるとよりよいですね。
たとえば、幼い子どもと晩ごはんの買い出しに行くとき、こういう会話をしてみてはいかがでしょうか。
「今日はカレーをつくるから、ジャガイモとニンジンとタマネギとお肉を買うよ。必要なモノを買うのには、お金を払うんだよ。もらうだけはできないから、交換するの」
「野菜がスーパーに並ぶまでに農家の人が野菜を育てて、それをスーパーまで運んで、腐らないように管理して……たくさんの人がすごく頑張ってくれているから、今夜カレーが食べられるんだよ。みんなへの『ありがとう』で払うのがお金だよ」
私たちが購入するモノやサービスは、いろいろな人の頑張りによって届けられている。その頑張りに「感謝の対価」としてお金を払う、という説明をしてやれば、子どもにも理解しやすいでしょう。
■「買い与える」前に一呼吸置いてみる
また、子どもが何か高額なものを欲しがったとき、いつでもサッと支払ってしまうのは考えもの。お金を得るには努力が必要なんだ、という話をする機会を設けてもいいと思います。たとえば、こう話してはいかがでしょうか。
「パパとママがお仕事を頑張って、もらえるのがお金なんだよ。お金って、何もしないと入ってこないものなの。これがどうしても欲しかったら、少し高いからお手伝いしてくれる? そうしたらママ助かるから、ありがとうの気持ちで1回100円渡すね」
■「投資」を始める前に稼げる大人になってほしい
ところで、今はインフレで物価がものすごいスピードで上昇していて、給料アップが追い付いていないですよね。そのため、投資をしてお金を増やそうという風潮が強まっています。
「お金=労働で稼ぐもの」と子どもに教えるだけでなく、投資や経済の知識も教えたほうがよいのでは? と思う親御さんもいると思います。
それは私も否定しませんが、若いうちから投資でお金を増やすことばかり考えると、節約してやりたいことを我慢して、ひたすら貯蓄して、そこから投資に回す――というこぢんまりとした発想に陥るおそれがあります。
若いうちはお金を使ってさまざまな経験をしたほうがいいし、自己投資にお金を惜しまないことも大事です。
まず、お金とは仕事を頑張った結果、得られるものであると教えるのが先だと思います。私は子どもに、頑張ってお金を稼げば、住みたいところに住めて、やりたいことをやれて、楽しく充実した人生を送れると伝えています。また、仕事の楽しさややりがい、難しさ、誇りを持っている点など、親の仕事について、日常的に語っておくのもよいと思います。親が楽しそうに仕事をしている姿を見せておけば、子どもは自然と「自分もこんなふうに、誇りある仕事をして、やりたいことをやれる力をつけたい」と思うようになっていくものです。親は子どもよりも先にいなくなってしまいますから、将来、自分の力で稼げる大人に育てたいものです。
そして、仕事を頑張って、稼げるようになった先に、「投資」というものがあると教えるのがよいと思います。投資は「経済成長を支える」「社会課題の解決を目指す企業を応援する」といった社会貢献を行いながら自分のお金を増やしていけるもの。自分の収入をより多くするために、仕事で稼いだお金の一部を投資に回して増やしていく――投資との付き合い方はそのようなものではないでしょうか。
※本稿は、『プレジデントFamily2026春号』の一部を再編集したものです。
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瀧 靖之(たき・やすゆき)
東北大学加齢医学研究所教授、医師
1970年生まれ。東北大学大学院医学系研究科博士課程修了。医学博士。東北大学加齢医学研究所臨床加齢医学研究分野教授。東北大学スマート・エイジング学際重点研究センターセンター長。早生まれの息子の父。脳科学者としてテレビ・ラジオ出演など多数。著書に『16万人の脳画像を見てきた脳医学者が教える 「賢い子」に育てる究極のコツ』(文響社刊)など。
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(東北大学加齢医学研究所教授、医師 瀧 靖之 内野一郎、柴野 聰=構成 タケウマ=イラストレーション)

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