ウナギの価格は「長期高騰」が続いている。その原因は絶滅危惧種に指定されるほどの資源の枯渇だ。
ウナギを孵化段階から成魚にまで育てる完全養殖の技術については、日本と韓国が世界をリードしている。日本の場合、完全養殖にすでに成功し、現在は「大量生産」と「コスト削減」による産業化を目指している。しかし中国の研究者も最近になり、完全養殖に向けた重要な成果を上げて、日韓を追い上げようとしている。中国メディアの澎湃新聞はこのほど、中国におけるウナギの完全養殖を目指す取り組みを紹介する記事を発表した。
中国の国家重点研究開発計画プロジェクトである「ウナギの高い質での親魚育成および人工繁殖技術の開発」(以下、開発プロジェクト)では最近になり、ウナギの卵を孵化させることで累計300万匹余りの仔魚(しぎょ、孵化した後の最初の段階の魚)を得ることに成功した。ウナギの完全養殖では孵化した後の最初の段階である仔魚に餌を摂取させることが極めて難しいが、一部の仔魚に摂餌させることにも成功した。
ウナギは中国にとって、水産物輸出による外貨獲得でトップクラスの商材であり、年間の売上高は400億元(約9300億円)に達する。中国の養殖ウナギ生産量は世界の75%以上を占めている。
開発プロジェクトのチームを率いる中国水産科学研究院東海水産研究所の趙峰研究員によると、チームは3-4カ月にわたる精密な栄養強化と、ウナギが生息する自然環境を再現することで、ウナギの繁殖用成魚3000匹あまりを育てることに成功した。
自然環境の再現では、多数の天然ウナギに超小型の記録計を取り付けて放流し、その記録計を一定期間後にウナギの体から離脱して海面に浮上させ、無線で送られる「ウナギが体験した環境」の情報を人工衛星経由で集積して分析する、長年にわたり続けてきた作業の成果も活用した。
ウナギの完全養殖は、有精卵を得る段階ですでに困難に突き当たる。通常の方法で飼育したのでは、個体によって卵や精子が成熟する速度がばらばらであることだ。卵や精子が水中に放出されるタイミングがずれると、受精は成立しない。そのため、受精卵を得る効率は極めて大きく低下する。
趙研究員のチームは、親ウナギをいくつかのグループにわけ、それぞれのグループが「人が狙った時期」に成熟するように、ホルモン剤の投与量や水温などを精密にコントロールする技術を編み出し、多くの雌に「同じタイミングで一斉に産卵させる」ことに成功した。このことでタイミングよく受精させることが可能になり、運任せで不安定だった受精率や孵化率を高い水準で安定させることができるようになったという。
仔魚に摂餌を始めさせることは、ウナギの完全養殖におけるもっとも難しい課題だ。趙研究員のチームは、一部の稚魚に摂餌を開始させることに成功したという。このことは、稚魚が必要とする栄養成分の解析や初期餌の適合性研究などの面でチームが大きな進歩を達成したことを意味する。
ウナギの仔魚はまず平べったい形に成長するが、その次の稚魚の段階では、体が細長くなる。これがシラスウナギだ。











