2026年5月10日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国版サイトは、ドイツ・ザクセン州の経済相がフォルクスワーゲンの工場維持のため、中国の自動車メーカーを合弁相手に誘致する構想を提案したと報じた。

記事は、フォルクスワーゲンが重要市場である中国での敗退や欧州でのシェア喪失に加え、トランプ米大統領の関税政策により深刻な経営難に直面している現状を紹介。

25年末時点で従業員約8000人を抱える電気自動車(EV)専門のツヴィッカウ工場において、稼働確保と雇用の維持が限界に達していると伝えた。

その上で、この危機を打開するため、ザクセン州のディルク・パンター経済相が同工場へ中国メーカーを誘致する構想を表明したことに言及。同様の検討はニーダーザクセン州でも進んでおり、ドイツ国内で中国メーカーの受け入れが現実的な選択肢として浮上していることを報じた。

記事は、パンター経済相が「イデオロギーよりも産業の生存能力と雇用の安定を優先すべき」と主張していることに触れ、かつて技術を提供した中国メーカーを、今度は生産ライン活用のために招き入れるという、歴史的な立場の逆転をチャンスと捉える判断基準が示されたと伝えた。

そして、国内の「内巻(過当な内部競争)」を避け欧州進出を急ぐ中国メーカー側の事情を紹介しつつ、ドイツの動きが短期的には工場を救うものの、長期的には欧州産業を食い荒らす「羊の皮を被ったオオカミ」を招き入れる行為になりかねないという専門家の懸念に言及した。(編集・翻訳/川尻)

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