同番組は2007年に放送開始。司会者を務めるのは俳優の王剛さん。鑑定団が「偽物」と宣告すると、王剛さんは手にしたハンマーで、容赦なくたたく。陶磁器の破片が飛び散る。
清代の皇帝、乾隆帝の落款があるつぼをたたき割られたという女性コレクターは、「どうしても納得できない」と憤る。少なくともうわぐすりは清代に輸入された原料を使っており、絵柄も一流の絵師の手によるものだと主張。「現在では、国家クラスの称号を持つ巨匠でも、作ることができない」、「偽物としても、本物よりもすばらしく、本物よりも価値がある作品」であり、無残にたたき壊す行為は納得できないという。
番組では、出演した作人に対してひとこと「粗雑」、「簡単」などと評価して、「偽物」と決めつける。専門家にしか分からないような“形容詞”を使う場合もある。論評が極めて短いことも、「きちんと鑑定しているのか」との疑問の声が出る一因となった。
番組側はこのほど、北京市の首都博物館と合同で、番組内でたたき壊された作品と「本物の作品」を同時に陳列する展覧会を開催した。同展覧会に足を運んだ中国管理科学研究学術委員の寧玉新氏は、「偽物として展示されている品の90%以上は本物。しかも、3割以上は価値が高い珍品だ」と述べた。
同番組に「賓客」として出演している鑑定人は3人だ。しばしば出演するのは、故宮博物院の葉佩蘭研究員、首都博物館元副館長の張寧氏、北京市鑑定委員会の張茹蘭副主任など。さらに有名オークション会社の専門家も出演する。
番組の韓勇プロデューサーによると、出演する鑑定人は3人だけだが、背後には多くの専門家が控えている。美術館や研究機関に所属する専門家、オークション会社の専門スタッフ、美術商などだ。それぞれの作品について最低3-5人の専門家が時間をかけて鑑定する。
専門家の意見が分かれた作品は、番組で取り扱うことを断念する。韓プロデューサーは、万全の体制で臨んでいるとして、番組で「本物の古美術品を破壊することはありえない」と主張。番組中で鑑定人の論評が短いのは時間の制約があるためで、実際には時間をかけて鑑定しているという。
韓プロデューサーは、首都博物館に展示された「偽物」の中に、本物が多いと指摘する専門家がいたことについては「ガラスケースを通して見ると、細かいニュアンスが分かりにくい場合もある。展示したのは、偽物の中でも、本物に近く極めて巧妙に作られた品だ」と説明した。
写真は、破壊された提出作品を見る呂献珍さん。呂さん自身が鑑定家であり、自信をもって番組に出した「元代制作」の作品が「たたき割られた」という。呂さんは、たたき割られた作品の破片を持っており、英国のオックスフォード大学に鑑定を依頼する考えという。(編集担当:如月隼人)











