中国メディアの参考消息によると、米CNBCはこのほど、中国の電気自動車(EV)競争は価格面から車載人工知能(AI)など機能面に移行しているとする記事を掲載した。

記事によると、ここ数年で競争の焦点は、バッテリー航続距離の延長や運転支援システムの導入、より高性能な車載チップの採用へと変化した。

そして今、自動車メーカーは車載AI機能の包括的な開発に注力している。

字節跳動(バイトダンス)傘下の火山引擎(ボルケーノエンジン)は北京モーターショー2026で、50超の自動車ブランドが同社のAIモデル、豆包(ドウバオ)を導入していると発表した。同社は北京モーターショーで、自動運転大手の小馬智行(ポニーAI)の隣にブースを構えていた。同社によると、ドウバオは、メルセデス・ベンツのGLC EVやアウディと上海汽車(SAIC)によるEX7、フォルクスワーゲン(VW)とSAICによるID.ERA 9Xなど145の車種、700万台超の車両に統合されている。

中国のEV競争は価格面から車載AIなど機能面に移行―米メディア

AIへの移行は、華為技術(ファーウェイ)のスマートフォンに対応したインターフェースやドウバオのような音声アシスタントなど、コネクテッド機能に対する消費者の需要を反映している。アリックスパートナーズのアジア自動車・産業コンサルティング部門の責任者であるスティーブン・ダイヤー氏によると、EVの価格競争はコックピット技術をめぐる機能競争へと変化した。

しかし問題は、そうした技術の多くがすぐに同質化してしまうため、企業が他社との差別化を図るのが難しいことだ。アリックスパートナーズによると、中国でよく売れているEV上位20車種のうち価格が10万元(約230万円)以上の車種は、ほぼ同じような運転支援機能と車内エンターテインメント機能を搭載している。ダイアー氏は、中国の自動車メーカーが今後、高級ブランドが特別なライフスタイル体験を提供するように、「車外体験」で競争するようになると予想している。

阿里巴巴(アリババ)のAIモデルである通義千問(Qwen)も、比亜迪(BYD)やVWの中国合弁会社などの車両に統合される。このシステムでは、運転者は音声コマンドを使ってフードデリバリーの注文やホテルの予約、観光チケットの購入、荷物の追跡などが可能になる。

コンサルティング会社シノ・オート・インサイツの創業者兼マネージングディレクター、トゥ・レ氏によると、AIは必ずしも車両の機能である必要はなく、ユーザー体験をサポートするためにバックグラウンドで実行されるべきだ、としている。

記事は「自動車メーカーにとって中国市場で差別化を図るのは難しいかもしれないが、海外の競合他社とより効果的に競争できる可能性がある」とし、トゥ・レ氏の話として「中国市場の量産車において私たちが標準的な機能と考えているものは近い将来、欧米市場でも当然求められるようになるだろう」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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