中国メディアの参考消息によると、香港メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストはこのほど、「中国人旅行者が中央アジアに押し寄せる」とする記事を掲載した。

記事はまず、アナリストらによると、かつてあまり人気のない旅行先だった中央アジアが、堅調な旅客数の増加や航空路線の拡大、中国の「一帯一路」構想に基づく経済関係の強化を背景に、中国人旅行者にとって重要な市場へと急成長していると伝えた。

記事によると、OAGアビエーションのアジア太平洋地域責任者マユール・パテル氏は、2025年の中国から中央アジアへの航空旅客数が前年比59.3%増加したことに触れ、「両地域間の旅行需要は近い将来さらに高まり、現状では過小評価されている可能性がある」と指摘する。シンガポールの市場調査会社チャイナ・トレーディング・デスクのスブラマニア・バット最高経営責任者(CEO)は「これらの路線は、観光だけでなく、ビジネスや貿易、政府間交流、教育、友人・親族訪問のための渡航需要に支えられて安定性を高めている」と語る。

一方、中国から米国や欧州へのフライト数は依然として完全には回復していない。中央アジアは、特に観光目的において、中国人旅行者にとってこれまで人気の高い目的地ではなかった。長きにわたり好まれていたのは、南アジアや東アジアへの旅行だ。

中央アジアへのビジネス渡航は依然として限られているが、アナリストらによると、中国が10年以上にわたり「一帯一路」構想の下で投資と影響力を拡大しようと努力してきた成果が実を結び始め、文化交流や商業交流がより深まっている。パテル氏によると、中国の「一帯一路」構想は、中央アジア地域全体のインフラや貿易、接続性を強化することを通じて人々の同地域への関心を再び高めた。こうした構造的な投資によって10年前には存在しなかった持続的なビジネス渡航需要が生まれた。

ウズベキスタンやカザフスタンは、独特の文化体験を求める世界中の旅行者を引き付けており、中国人観光客にとっては価格が手頃でビザ取得が容易な選択肢となっている。中国は両国とビザ(査証)免除協定を結んでいる。パテル氏によると、この流れは双方向的で、25年後半以降、中国へのインバウンド観光客は中央アジア諸国や「一帯一路」沿線諸国からの訪問者が著しく増加している。

航空会社も、高まる需要に応えるため両地域を結ぶ新たな路線を開設している。

カザフスタンのフラッグキャリアであるエア・アスタナは上海・アルマトイ線を開設し、両国間の便数を週32便に増やした。イブラヒム・カンリエルCEOによると、ビジネスや観光、留学の増加を見込んで6月にアスタナ・広州線を開設し、さらに今夏にはアルマトイとアスタナから北京への路線とアルマトイからウルムチへの路線を開設する計画だという。3月末には中国南方航空が広州とキルギスの首都ビシュケクを結ぶ路線を、中国東方航空が上海とウズベキスタンの首都タシケントを結ぶ路線をそれぞれ開設した。

記事は、ヘリオス&パートナーズの創業者兼CEO、ハンフリー・ホー氏の話として「多くの中国人旅行者にとって、中央アジアは距離的に近く、長年人気を集めてきた日本やタイと比べると新鮮味もあり、政治的な立場も中国に近いため地政学的な影響を受けにくい」と伝えた。(翻訳・編集/柳川)

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