昨年初めにウクライナ軍に捕らえられた北朝鮮軍兵士2人が最近、韓国に入国したことが確認された。韓国の左派系紙は「保守系の野党が非公開を政争化しようとする態度だ」と批判。
北朝鮮軍捕虜2人の存在は、昨年1月、ウクライナのゼレンスキー大統領がSNSを通じて、ロシアのクルスク地域でウクライナ軍が彼らを生け捕りにした事実を公開したことで明らかになった。2人はメディアのインタビューなどを通じて、韓国への帰順(亡命)の意思を表明していた。
ゼレンスキー大統領が9月23日、国連総会の演説で「最近、北朝鮮軍の戦争捕虜2人を大韓民国に送った」と明言。彼らが送還されたことが公になってしまった。李在明(イ・ジェミョン)大統領は24日、この件について「非公開の合意を破って公開した」とし、「どのような事情があるのかは分からないが、非常に残念だ」と遺憾の意を表明した。
ハンギョレ新聞は社説で「帰順の意思を明らかにした彼らが北朝鮮に戻れば、深刻な脅威に直面する可能性があるだけに、韓国政府とウクライナ政府が彼らの韓国行きに合意したのは人道的な観点から望ましい決定だ」と論評。「北朝鮮軍捕虜の身の安全と北朝鮮に残っている家族の安全を考慮し、送還の過程を非公開にすることでウクライナ側と合意していたというのが、韓国政府の説明だ」と続けた。
公表に関しては「事実自体が公表されてしまった以上、今後はこの2人の身の安全を徹底的に守り、韓国社会に無事に定着できるよう、政府は最善を尽くすべきだろう」と指摘。「政府が北朝鮮の顔色をうかがうあまり、非公開にしている」との最大野党「国民の力」などの主張を「こじつけ」と批判した。
「国民の力」のチョン・ジョムシク院内代表は9月25日、フェイスブックで「非公開にこだわった理由は何か。金正恩(キム・ジョンウン)の機嫌を損ねるのがそれほど怖かったのか。
社説は「普段から北朝鮮住民の人権を声高に訴えてきた『国民の力』は、なぜこの2人の北朝鮮軍兵士とその家族の安全については目を背けるのか。北朝鮮軍捕虜の韓国行きを公然と宣伝して北朝鮮を刺激することは、韓国の安全保障に何の役にも立たないのではないか」とやり玉に挙げた。
その上で「この件を扱う際に守るべき原則は、2人の北朝鮮軍兵士に対する人道的・人権的な姿勢を堅持することだ」と強調。「北朝鮮やロシアとの関係に悪影響を及ぼすことを懸念して消極的になってはならず、2人の証言などを通じて北朝鮮やロシアを攻撃する材料を得ようとするアプローチも許されない。あくまで2人の人権と安全を中心に据え、問題を解決していかなければならない」と呼び掛けた。(編集/日向)











