『McCartney III』は今年初めにイギリスのサセックスでレコーディングされ、そこではヴォーカル、ギター、ピアノを収録。さらにその後、ベースとドラムがオーバーダビングされた。その作業は、ジョージ・マーティンが共同プロデュースした90年代の未発表曲「When Winter Comes」に立ち戻ったことから始まったという。彼はこの曲のために新しいセクションを作り、アルバムのオープニングを飾る「Long Tailed Winter Bird」を誕生させた。
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「ロックダウン中は家族と一緒に農場で生活していて、毎日スタジオに通っていたんだ」とマッカートニーは声明の中で語っている。「映画音楽の仕事を少ししなければならなくて、それがオープニング・トラックに繋がった。この曲が完成したとき、『次は何をしようかな』と思ったんだ。これまで何年もかけて作ってきたものもあるけど、時間切れで中途半端になってしまうこともあったりした。だから、自分が持っているものについて考え始めたんだ」
「僕は毎日、楽器を演奏しながら自分の書いた曲をレコーディングし、そこに様々なレイヤーを重ねていく作業を始めた。本当に楽しかったよ。仕事のために取り組むのではなく、僕自身のために音楽を作っていたわけだ。だから、自分の気まぐれでやっていたに過ぎなくて、これがアルバムになるとは思ってもみなかったよ」
『McCartney』と『McCartney II』の写真が亡き妻リンダによって撮影されたように、『McCartney III』の写真はポールの娘であるメアリーと、甥のソニーによって撮影された。
『McCartney III』はCDと配信に加えて、様々な形でレコードがプレスされる予定だ。サードマン・レコードは、通常の180グラムのレッド盤を3000枚限定でリリースするほか、333枚限定の「333」エディションは、『McCartney』と『McCartney II』の33枚のリサイクル盤から作られた、黄色の水玉模様の盤にプレスされる。また、アメリカでは4000枚限定のホワイト盤での販売も予定されている。
『McCartney III』は、2018年の『エジプト・ステーション』に続く18枚目のソロ・アルバムとなる。今年の夏には、1997年作『フレイミング・パイ』の大規模なリイシューも実現した。また先月には、ジョン・レノンの80歳の誕生日を記念して、BBCラジオ2でショーン・レノンのインタビューを受けている。
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