◆ラグザス presents 第32回 WBSC U―18 野球ワールドカップ ▽1次ラウンド 日本10-0南アフリカ=5回コールド=(8日・沖縄セルラー那覇)

 日本は南アフリカを10-0の5回コールドで下し、開幕4連勝でスーパーラウンド進出を決めた。先発した最速149キロを誇る今秋ドラフト候補右腕の中野大虎(大阪桐蔭3年)が5回を9Kで4安打完封。

U-18W杯で大阪桐蔭の投手は9連勝となった。打線は3回、今岡拓夢内野手(神村学園3年)に今大会のチーム1号となる2ランが飛び出すなど、活発に援護。9日午後6時30分からは1次ラウンド5戦全勝を懸け、プエルトリコ戦に臨む。

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 南アフリカ戦では1回終了後、雨が激しくなり、約50分間の中断となった。グラウンド上にはシートが敷かれた。

 雨が上がり、シートを外す作業が行われ、小倉全由監督(68)=前・日大三監督=ら高校日本代表のコーチングスタッフも参加。自らシートを引っ張った。

 南アフリカのコーチングスタッフもシート敷きを手伝うなど、両国のベンチが試合再開へ汗をかいた。場内のファンからも、雨上がりの夜空に拍手が鳴り響いた。場内のBGMには井上陽水奥田民生の名曲「ありがとう」が流れ、グラウンド整備に尽力した人々へ感謝の思いに包まれた。

 試合後の小倉監督は報道陣からその行動について聞かれ、「雨なので、1人でも力になったらいいかなって。早く試合をやりたいし、それだけですね。

力が余っているから、ベンチにいるのももったいない」と語った。

 さりげなく自然体で協力するコーチングスタッフの姿勢は、高校侍にとっても大きな学びとなったに違いない。(加藤 弘士)

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