巨人の阿部慎之助監督(47)が27日、スポーツ報知のインタビューに応じ、開幕から1か月のチームについて語った。主力の故障や離脱が多い中で連日、新たな力が躍動。

前週は5試合連続で「プロ初」が誕生した。勢いに乗る若手に「楽しくやっちゃえ」と、のびのびプレーできるムードを醸成。明るいベンチ内の様子も明かした。復調気配のダルベックや、28日の広島戦(東京D)からの9連戦で1軍復帰する戸郷についての思いも示した。(取材・構成=片岡 優帆)

 4勝1敗の前週はプロ初ウィークだった。21日は小浜がプロ初安打、平山が初打点、初勝利打点。22日は石塚初打点。24日は皆川初安打。25日は平山初本塁打、小浜初打点、又木初勝利。26日は小浜が初の勝利打点。阿部監督も笑顔が多く雰囲気が良い。

 「みんなチャンスだからね。

楽しくやっちゃえ、って思うよ。ウィーラー(打撃コーチ)はまだ物足りないって言ってるけど。『何で、みんなスリープ!』『ウェークアップ!』みたいな。若い選手は声の出し方とかも勉強だよね」

 攻撃時はウィーラーコーチが阿部監督の横で喜怒哀楽を前面に出す。「怒」については「俺が一緒になってやってもしょうがないしね」と柔らかい表情で見守る。指揮官がつくる前向きな空気は、若手の自発的な積極性を引き出している。

 「増田陸とかは負けてても『2点ワンチャンスやワンチャン!』とか、負けても『明日いきましょ!』とか、そういう声を出せるようになってきた。大したもんだなと思って。打てなくなった時もできるか。1年間続けられるかだよね」

 経験豊富な坂本や松本も声を出す中で、21日の中日戦(長野)からはベテラン捕手の小林が昇格。ベンチはさらに明るくなった。

 「そういうので誠司を呼んだっていうのもあるからね。

ずーっと声出してくれるからさ。ありがたいし、ああいう人も必要だよね」

 攻撃陣では新外国人の4番ダルベックが上向きだ。9戦0本塁打0打点で迎えた15日の阪神戦(甲子園)が雨天中止になり練習で阿部監督が助言。すると、翌日から3戦連発、ここまで9戦4発8打点と目覚めた。

 「待ち方の話をしただけなんだけどね。(コースや球種を)割り切れていなかったから。全部打てないから捨てることも大事だよって。三振かホームランでいいから豪快に振ってこい、ど真ん中を見逃したっていいよって。ランナーいない時は特にね。そしたら相手は『えっ?』ってなるから。考えさせないとって」

 打線としては相手が左投手の先発時に5勝6敗と苦戦。左打者の対左腕打率が特に低い状況を改善するため、橋上オフェンスチーフコーチ、ウィーラー、李承ヨプ両打撃コーチと話して対策に乗り出している。

 「浦ちゃん(浦田)とか(若手の左打者)には練習では(左腕の)打撃投手の球は絶対に引っ張らない、苦しくても詰まっても反対方向に打つとか徹底してやってみなって言って。試合で打つためだから。練習では気持ちよく打つんじゃなくて、制御したり制限かけることが大事だと思う」

 昨年までの阿部監督は守備の際もベンチ内で立っていた。攻撃時は今年もサインを出すため立っているが、守備の際は対照的に着席。冷静に戦況を見ている。

 「一歩引いて客観的に見ようと。自分がいきすぎない。コーチたちに任せることも大事だと思って」

 投手では不振で開幕2軍だった戸郷が帰ってくる。5月4日のヤクルト戦(東京D)で復帰の見込みだ。3月に2軍降格を伝える時は熱い言葉をかけていた。

 「これだけ高い壁を乗り越えたらすごいいいことが待ってると思ってやるしかないよなって言って。ずっと順風満帆で投げてきて、こんなに思い通りいかないの初めてだろって。

誰でも壁にぶち当たるけど、そこを越えた時に、さらなるすごみを増して帰ってこられると思うよって言って」

 エースの山崎と戸郷がいない中、先発陣はルーキーで開幕投手を務めた竹丸やベテランの田中将、則本が奮闘。井上も好調だ。野手でも丸が不振で2軍調整、泉口は練習時に打球が顔面を直撃して脳しんとう特例措置で抹消中。投打で若手にチャンスを与えつつ、昨秋に両股関節手術の吉川が1軍復帰するなど実績のある選手が徐々に輪に加わり「また競争が激しくなるよね」と歓迎する。

 日々、ベストメンバーを模索しながら14勝10敗の貯金「4」は好スタートと言えるだろう。若手が着実に力をつけている新生・阿部巨人。一致団結して熱く前進していく。

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