◆JERAセ・リーグ DeNA1―4巨人(26日・横浜)

 執念が技ありの一打を生んだ。一塁上の岸田は、三塁側のベンチに向かって右手人さし指を突き上げた。

「追い込まれていたんですけど何とか食らいついて、いい結果になって良かった」。1―0の4回1死二塁で、カウント2―2から低めに沈む129キロシンカーを左手一本で拾い上げた。左前適時打で得点圏は12打数5安打、打率4割1分7厘、7打点。勝負強い新主将が、勝利をグッとたぐり寄せた。

 打のベイキラーが投のベイキラーを援護射撃した。「たまたまですよ」と謙遜しつつも、昨季も対DeNAで打率4割4分7厘、2本塁打の大暴れ。正捕手奪取のきっかけとなる1号を放ったのも、5月4日の横浜だった。

 先発・井上とは今季3度目のバッテリー。1点差に迫られた6回1死一、二塁では佐野を空振り三振、ビシエドを三ゴロといずれも決め球にフォークを要求してピンチを切り抜けた。「投げているボールに自信もあると思いますし、堂々としっかり投げている」と、成長中の左腕を絶妙の手綱さばきで導いた。

 新主将として迎えた2月の宮崎春季キャンプ。「キャプテンの時、どんなことを大切にしていましたか」と尋ねた相手は、阿部監督だった。

3代前の主将から「負けが続いてる時にミーティングを開いたりするのが役目。目配り気配りだけやったらいい」と金言を授かった。

 人づてにしか聞いたことがなかった「主将・阿部慎之助」像を、本人への直撃取材で具体化し「キャプテンだった人から聞きたかった。勉強になりました」。この日の朝はリハビリ中の泉口に「大丈夫か」とLINEでメッセージを送るなど、仲間への気配りは欠かしていない。

 今季初の2戦連続タイムリー。大城が24日DeNA戦(横浜)で受けた自打球の影響で別メニュー調整を続けており、上昇気流に乗りつつある岸田のバットにかかる期待は大きい。「いいところに打球が飛んでいるのはありますけど、継続してやっていきたい」。チームとともに、勢いを加速する。(内田 拓希)

 ◆記録メモ 岸田(巨)が1点リードの4回に貴重な適時打。今年のDeNA戦は出場した5試合の全てに安打して、計18打数7安打の打率・389に6打点。特に走者得点圏では(犠…犠飛、B…四球)[安]犠[安][二][安][安]Bと、7打席で5打数5安打の猛打だ。

DeNA戦は通算でも48試合で打率・339、23打点。カード別の最高打率、最多打点となっている。

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