◆WEリーグクラシエ杯 決勝 日テレ東京ヴェルディベレーザ―RB大宮アルディージャWOMEN(UvanceとどろきスタジアムbyFujitsu)

 日テレ東京Vが大宮との激闘を制して、クラシエ杯初優勝を飾った。2―2から突入したPK戦を3―1で制して、今季初タイトル。

27日に今季限りでの現役引退を表明した2011年女子W杯優勝メンバーの日テレ東京V・DF岩清水梓(39)は延長後半9分から出場。PK戦では2番手キッカーを務め、一度はバーに阻まれたボールが相手GKに当たってゴールインする幸運にも恵まれ、自身27個目のタイトルを獲得した。

 見えない力に引き寄せられるように、ボールはゴールに吸い込まれた。2―2から突入したPK戦。今季限りでの現役引退を表明した岩清水が2番手で登場した。ゴール正面上を狙ったが、「吐きそうだった」という緊張感からキックはバーに直撃。無情にも失敗…と思われたが、ここでミラクルが起きる。ボールは勢いよく真下に落下し、横に倒れていた相手GKの体に当たってゴールに入った。「サッカーの神様っているんですね。本当に」。ミラクルPKの後、GK大場が2本セーブし、激闘を制して歓喜の時を迎えた。

 「自分が引退表明させてもらって、本当に一生のお願い、本当に(タイトル)取らせてくださいって、ずっと思っていた。

澤(穂希)さんもよく言っていたから、サッカーの神様が見ているって。実感しました」

 クラシエ杯で初優勝し、前人未到の国内27冠目を獲得した。

 積み重ねてきた実績が、神様を味方につけた。2003年からトップチームでキャリアをスタートさせ、11年女子W杯ドイツ大会ではセンターバックの主力で歴史的な初優勝に貢献。W杯決勝・米国戦では2―2の延長後半終了間際にエリア手前で相手FWの決定機をタックルでつぶし、人生初の退場処分を受けたが、伝説のワンプレーとして今なお刻まれている。この日ゲストで来場していた元なでしこジャパン主将の澤穂希さん(47)も「リーダーシップや戦う姿勢は若い選手たちに先頭を切って見せてくれていたと思う」とたたえた。レジェンドも認める勝利への執念が、最後の最後で運を引き寄せた。

 リーグ戦の連覇は厳しい状況だが、5月20日にはAFC女子チャンピオンズリーグ準決勝が控えている。「アジアでトロフィーを掲げられたら一番うれしいシーンになる」と岩清水。輝かしいキャリアに、アジア王者の称号を加え、有終の美を飾る。(後藤 亮太)

 ◆岩清水 梓(いわしみず・あずさ)1986年10月14日、岩手・滝沢村(現滝沢市)生まれ。39歳。

相模原市で育ち、下部組織のメニーナから2003年に16歳でトップチームのベレーザに昇格。日本代表は06年にデビューし、11年ドイツW杯優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、15年カナダW杯準優勝。歴代8位の代表通算122試合で11得点。19年10月に一般男性との結婚を発表し、20年3月に長男・聖悟くん(6)を出産。なでしこリーグ通算287試合21得点、WEリーグ通算26試合出場。利き足は右。163センチ、57キロ。

 ◆岩清水の獲得した国内タイトル 2005年のLリーグ優勝、皇后杯優勝の2冠から始まり、これまでなでしこリーグ優勝は06~08年までの3連覇、15~19年までの5連覇を含めて9回、なでしこリーグ杯は6回優勝、皇后杯は3連覇2度を含む9回頂点に輝き、WEリーグでは24―25年シーズンに初優勝。今回のクラシエ杯で27タイトル目となる。

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