◆JERAセ・リーグ 巨人1―5ヤクルト(4日・東京ドーム)

 戸郷は久しぶりに立った東京Dを見渡しながら唇をかみしめ、マウンドを降りた。1―3の5回。

2死二塁から鈴木叶に左翼フェンス直撃の適時二塁打、続く内山にも左前適時打を浴び、あっさりと2点を追加された。今季初登板は5回100球、6安打5失点。初黒星がつき「結果が僕の中で全て。チームが負けているので責任を感じます」と静かに現実を受け止めた。

 復調の兆しは見せた。初回から最速151キロを計測した直球で押し込む場面もあり5奪三振。「直球は卓三さんにも良くなっていると言われた」と明かした。3回1死一、二塁から鈴木叶に得意なはずのフォークでプロ1号先制3ランを献上するなど課題も見えた。阿部監督は「良くなったなと立ち上がりは思った。不用意な1球だったりを減らしていければまた勝てる」と評価し、「投げてもらわないと困りますんで」と次回の1軍登板を明言した。

 どんなに苦しくても真っすぐに課題と向き合ってきた。昨年は2度の降格もあり、8勝9敗、防御率4・14。

復活に燃え迎えた今季はオープン戦3登板で防御率9・00とつまずいた。2軍戦でも打ち込まれることもあったが、大竹2軍投手コーチは「戸郷のいいところはなんでもすぐ取り組むところ。常に自分を良くしようと向き合っている」と話す。戸郷は言う。「自分を信じられなくなったらそれ以上の成長はない。遠回りすることも大事だと思ったし、まだまだ僕は挑戦しきってない。自分の野球人生において挑戦を止めるときが来るなら引退のとき」。腕から動く菅野式の投球フォームを取り入れたり、試行錯誤をしながら、ようやく1軍の舞台に戻ってきた。

 完全復活をG党が待ち望んでいる。「たくさんの歓声をいただけてうれしかった。結果で応えたい」。信じているファン、そして自分のためにも背番号20は歩みを止めない。

(水上 智恵)

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