◆JERAセ・リーグ 阪神7―5巨人(2日・甲子園

 今の佐藤輝明は、かつての私のチームメートのバースのようだ。3戦連続猛打賞の4安打で、再び打率が4割を超えたのもうなずける素晴らしい打撃をしている。

内角の球を体の近くまで呼び込み、左腕で押し込む打撃を覚えたので、差し込まれても逆方向に強い打球を運べる。ヘッドが残っているので、バットの折れる詰まり方ではない。

 真ん中から外の球は腕を伸ばして強くたたけるので、8回の右越え8号ソロのように火の出るような当たりになる。もともと低めの変化球を拾うのはうまく、相手バッテリーは投げるところがないほどの状態だ。ポイントがベース寄りになった分、ボール球に手を出すことも少なくなった。

 現役時代にクリーンアップを組んだバースに近い無双状態だ。2年連続3冠王の86年にマークした打率3割8分9厘はとてつもないプロ野球記録だが、佐藤は挑戦できるだけの打者に成長してきた。アクシデントさえなければ、2年連続の40本塁打、100打点は堅い。調子の波が小さくなったので、6年目で初の打率3割はもちろんで、3冠王の確率が高まってきた。

 試合は6点リードの9回に巨人に4点を返され、8回の一発がなければ分からなかった。4番打者の勝負を決めるダメ押し弾が効いた。近本が骨折して、中野もスタメンから外れる苦しいチーム状況でも、4番の重圧を感じさせないほどの活躍。

我々が見えないところでも素晴らしい準備で日々を臨んでいるはずだ。(スポーツ報知評論家)

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