サッカー北中米W杯(6月11日開幕、日本時間12日)の日本代表26人は15日午後2時から発表される。運命の日を前に13日、スコットランド・プレミアリーグで、代表入りが有力なセルティックのFW前田大然(28)が敵地のマザーウェル戦で0―1の前半41分に同点ゴールを決め、フル出場した。

公式戦5試合連続得点で、今季リーグ戦13点目。攻撃で複数ポジションをこなせる前田の絶好調ぶりは明るい材料だ。チームは3―2で勝ち、次戦最終節(16日)での逆転優勝に望みをつないだ。

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 大事な終盤戦で得点力をいかんなく発揮した。前田は0―1の前半41分、中央から相手のクリアボールが前方へこぼれたところを左サイド角度のないところから左足を振り、同点ゴールを奪った。4月19日のスコットランド杯準決勝セントミレン戦から、リーグ4戦を含み、これで公式戦5戦7発。15日の代表発表直前でグイグイと調子を上げ、貴重な攻撃陣の一角として猛アピールを続ける。

 セルティックは3―2で競り勝ち、残り1節で首位ハーツと勝ち点1差の79とし、現在2位。16日の最終節でホームにハーツを迎え、逆転でのリーグ5連覇へ望みをつないだ。

 前田は驚異のスピードを持ち、攻守にハードワークができ、得点力も備える。クラブではFWとしてプレーするが、森保ジャパンでは左ウィングバック(WB)、シャドー(1・5列目)、1トップと選択肢は幅広い。3月28日に行われたスコットランド―日本戦では左WBで先発し、主将マークも巻き「すごく光栄。

戸惑いもあったが、いい経験ができた。森保さん(監督)の優しさというか、信頼がないと多分なかったと思うので、感謝している」と喜びを口にしていた。

 代表の左シャドーではMF南野拓実、鈴木唯人に続き、三笘薫が負傷離脱。ここに来て前田の存在が一気に重要度を増してきた。カタールW杯時のような1トップ起用なら、前線で相手の攻撃を遅らせる守備も得意とするところだ。

 前回大会では、決勝トーナメント1回戦のクロアチア戦で1得点も、チームはPK負けで8強に届かず、自身も悔しさが残った。スコットランドリーグで結果を残し続け、今年で5年目。昨季は公式戦33得点の大活躍で、最優秀選手にも輝いた。負傷者が続出し、W杯へ暗雲垂れ込める森保ジャパンに、スピードスターの活躍が明るい未来を照らす。

 ◆前田 大然(まえだ・だいぜん)1997年10月20日、大阪・堺市生まれ。28歳。山梨学院高からJ2松本に入団。

同・水戸、ポルトガル1部マリティモへの期限付き移籍を経て20年8月から横浜M。21年、リーグ23得点で得点王。22年からスコットランド・セルティック加入。24―25季はリーグ戦16得点10アシストで、4連覇に貢献して年間MVPを受賞した。21年東京五輪代表。22年カタールW杯では決勝トーナメント1回戦・クロアチア戦で得点。国際Aマッチ27試合4得点。173センチ、67キロ。右利き。

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 世界基準の突破力を持つ左シャドーの大黒柱・三笘不在にどう向き合うべきか。4つの案が考えられる。

 〈1〉鎌田を1列上げる 鎌田のシャドー起用は、W杯予選でも多く見られた。

緊急事態を受け、主軸ボランチのポジションを動かすことになるか。1枠空くボランチには事実上の構想外からの逆襲を期す守田英正の選択肢も。

 〈2〉代役アタッカーに期待 現実的には中村敬斗をシャドー、前田をウィングバック(WB)の主軸とし、バックアップとして佐野航大、佐藤龍之介、あるいは負傷からの復帰を目指す鈴木唯、南野、相馬勇紀らに託す形か。

 〈3〉思い切って布陣変更 ストライカータイプを2枚並べる【3―4―1―2】への変更が最もスムーズか。【4―2―3―1】回帰も奇策となり得る。

 〈4〉右肩上がり化 左WBにサイドバック型の選手を先発起用するプラン。右の先発は攻撃力ある堂安律か伊東純也となることが想定されるため、必然的に右肩上がりになる。

 カタールW杯で何の前触れもなく急造3バックを繰り出し、ドイツとスペインに逆転勝利した森保監督のことなので、どんな選択肢を選んだとしても不思議ではない。災い転じて福となすべく、最善策を探っていきたい。(岡島 智哉)

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