◆JERAセ・リーグ 阪神8×―7中日(20日・甲子園

 主役の森下は冷静だった。7―7の9回だ。

先頭で牧野の直球を左中間席へ運んだ。「最後の最後にでかいのを一発打ててよかった」。超劇的勝利へ導く、プロ初の11号サヨナラ弾。聖地が熱狂に包まれた。本塁で待っていたのは、仲間のウォーターシャワー。藤川監督とも熱い抱擁を交わした。9点差から逆転した17年5月6日の広島戦(甲子園)以来、9年ぶりに最大7点差をはね返した。

 藤川監督も大興奮だった。「あんまり見たことない。タイガースでずっとプレーしてきましたけど、びっくりするようなゲームになりましたね」。殊勲の3番打者は5月に入り18打席連続無安打を味わうなど、状態を落とした。19日に2安打を放つと、きっちりと復調。

「自分のスイングを心がけてやった。うれしい」と満面の笑みを見せた。

 7回の攻撃前は7点ビハインドだった。ガラッと空気を変えたのは、森下と同じ都内の自主トレ施設に通う、弟分のドラフト1位・立石だった。2戦連続で「6番・左翼」でスタメン出場し、7点を追う7回1死一塁でマラーから甲子園初安打となる中前打。プロ初安打を記録した19日の中日戦(倉敷)に続く初球攻撃だ。その後に4連打が生まれ、一挙4得点。8回の3得点で追いつき、完全に流れを引き寄せていた。

 「こういう展開になっても勝負ができると、チームの強みに変えて戦っていきたい」と藤川監督。森下も「全員が力になって、束となったゲーム。いい勢いに乗れたら」と前を向いた。5カードぶりとなるカード勝ち越しで、首位・ヤクルトに0・5ゲーム差。

虎が一気に乗りそうだ。(藤田 芽生)

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