◆JERAセ・リーグ 阪神8×―7中日(20日・甲子園

 中日・井上監督は重い足を報道陣の前で止めた。「ごめん」とポツリ。

常に取材に応じてきた指揮官は「会見拒否はしたことないけど、きょうは申し訳ない。勘弁してください」と、顔をこわばらせた。力投したマラーの今季初勝利も、敵地にどよめきを呼んだ一発も、水の泡。7―0からの大逆転負けで、借金が今季ワーストの14に膨らんだ。

 6回まで文句なしのヒーローだった助っ人は「最後の1球に悔いが…」と肩を落とした。7回途中を5安打4失点。7回2死満塁から坂本に2点打を許し、一、三塁のピンチを残して降板した。藤嶋、斎藤で2点を奪われたが、それでも3点差。今季4度目の登板で、待望の初白星に手をかけていた。バットでも6回2死一塁で来日1号2ラン。石黒の直球を一直線に左翼席へ運んだ。

 竜の投手による一発は、22年3月26日の巨人戦で勝野が放ったのが最後。

外国人では、17年4月1日の巨人戦のバルデス以来だった。球界でも珍しい「左投右打」になった理由は「野球を教わった父が右だから」。特徴が一気に認知される機会だったが、まさかの結末だ。左腕はリリーフ陣より「あれがなければ、こうなっていない。腹立たしい」と自身の7回の投球を責めた。チームは17年7月26日のヤクルト戦(神宮)で10―0から敗れて以来の大逆転負け。あまりにもショックが大きい。(安藤 理)

 ◆カイル・マラー(KYLE MULLER)1997年10月7日、米テキサス州生まれ。28歳。16年のドラフト2巡目でブレーブス入団。21年にメジャーデビューし、同年は9試合で2勝4敗。22年オフにトレードでアスレチックスに移籍すると、翌23年の開幕投手を務め、エンゼルス・大谷と投げ合った。

24年オフに中日に加入。メジャー通算54試合で4勝11敗、防御率5・90。NPBでは22試合に登板し、4勝11敗、防御率3・54。201センチ、118キロ。左投右打。

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