MLBが28日(日本時間29日)、次期労使協定に向けて選手会側に「ハードサラリーキャップ制度」を正式に提案したと複数の現地メディアが伝えた。最低年俸総額は福利厚生費を含めて1億7120万ドル(約272億7000万円)、上限を2億4530万ドル(約390億7000万円)に設定したという。
第一報を伝えた米スポーツ専門局「ESPN」のJ・ロジャーズ記者によると、この提案によって今季から12球団が支出を増やさなければならず、8球団が総年俸を削減する必要が出てくるという。8球団は計5億7800万ドル(約920億5000万円)の年俸削減を行う必要が出てくるとのことで、対象となるのはドジャース、メッツ、ヤンキース、ブルージェイズ、フィリーズ、レッドソックス、パドレス、ブレーブスだという。
AP通信が発表したドジャースの今季開幕時の総年俸は、メッツに次ぐ2位の3億1660万ドル(約504億1000万円)だったが、ぜいたく税や後払い込みだとメジャー全体でトップの4億ドル(約636億9000万円)規模とされている。同制度が導入された場合、現在の年俸総額から250億円ほどを削減しなければならない計算で、23年オフに結んだ10年総額7億ドル(約1022億円=契約発表時のレート)のうち約97%が後払いとなっている大谷翔平投手(31)らを擁して昨季までワールドシリーズを連覇し、王朝を築いているチームの戦略にも影響が出ることは間違いない。
これまでMLBでは超過分に対して追加の税金を支払う「ぜいたく税」は存在したものの、NBAやNFLのような「ハードサラリーキャップ制度」は存在していなかった。そのため、近年はドジャースなど資金力が豊富な球団はぜいたく税ラインを超えながら大型補強を続けていた。
MLBで最後に本格的なサラリーキャップ導入が議論されたのは1994年で、選手会と激しい対立に発展。最終的にストライキが起きてワールドシリーズ中止という事態となった。今回も選手会側が猛反発することは避けられそうになく、交渉難航が予想される。期限は12月1日(同2日)で、それまでに新協定が締結されなければ、ロックアウトに突入する可能性も大いにありそうだ。










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