【モンテレイ(メキシコ)4日=ペン・金川誉、後藤亮太、カメラ・山崎賢人】北中米W杯に挑む日本代表は4日、メキシコ・モンテレイでの事前合宿2日目の練習を行った。当初使用予定だったメキシコ1部リーグ、ティグレスの練習場のピッチが悪天候の影響で傷み、初日に続き、2日目の4日も練習場所を変更。

宿舎から約28キロ離れた同1部モンテレイのグラウンドに移動したが、W杯1次リーグで対戦するチュニジア代表が事前キャンプで使う予定のグラウンドだった。他国の陣地を間借りする異例の展開の中、約1時間半、精力的に汗を流した。

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 モンテレイ市のシンボルであり、標高1820メートルの雄大な山「セロ・デ・ラ・シーシャ」を臨むグラウンドで、選手たちは練習に没頭した。クロスに対する守備の局面では、名波浩コーチが最年長39歳のDF長友に「もっと寄せられる!」と厳しく改善を求めるなど、質の高い練習が繰り広げられた。

 しかし、精力的な練習に至るまでは“二転三転”。選手たちに少なからずストレスを与えていた。当初予定のティグレスの練習場が悪天候でグラウンドが不良に。使用できなくなり、急遽変更した初日の練習場でも、選手から「芝が良くない」という声が上がった。そのため再び変更を模索し、新たに押さえたのが、チーム宿舎から28キロも離れたモンテレイ練習場だった。

 ティグレス練習場までは約15キロ、初日に訪れた大学施設までは約6キロの距離。この日は移動時間が延び、選手たちへの負担は増した。それでも前日の練習場に比べれば芝の状態は良く、けがのリスクは軽減された。

ところが一難去ってまた一難。このグラウンドがチュニジア代表がキャンプ地に予定していることが判明。DF菅原は「戦術的な練習をしていたら、誰が(映像を)撮っているかわからない」と“スパイ活動”を懸念した。

 事前キャンプの目的は、気温30度超えの高温多湿の環境下でコンディションを上げることだ。余計な心配とばかり、菅原は「見られていても別にいい。分析されても、それを超えるクオリティーとチームの結束力を見せることが大事」。久保もメキシコメディアの取材に「正直、少しストレスは感じますよ。W杯ですから」と本音を漏らしつつも、「理解はできます。モンテレイの人々、チュニジアの人々、ピッチを貸してくれてありがとう」と感謝を述べた。

 3日目の練習も同じグラウンドの予定で、8日にはベースキャンプ地の米テネシー州ナッシュビルに移る。日本サッカー協会の山本昌邦技術委員長は「ここでしっかり準備を進めていきたい」。悪条件もW杯の一部と割り切り、与えられた環境でやり抜くしかない。

      (金川 誉)

>◆サッカー日本代表の主なトラブル

 ▽2014年6月 ブラジルW杯キャンプ地イトゥで、FW大久保嘉人が誕生日前夜、宿舎の部屋のバスタブの排水がうまくいかず、部屋が水浸しに。「大洪水でした」。お湯はリビングまで浸水し、約3センチもたまっていた。

 ▽17年11月 欧州遠征中のベルギーで移動中にチームバスが道に迷ったあげく、ぬかるみにはまるトラブル。スタッフはもちろん、選手やハリルホジッチ監督も手を貸して後方から車体を押したが、脱出できなかった。バス移動を断念し、ハリル監督と選手らは協会スタッフが用意した代替の車に乗り換え。

 ▽17年11月 同じベルギー遠征では天候に恵まれず、練習中激しいひょうに見舞われた。直径5ミリを超える多量のひょうが勢いよく降り、地面や服に当たる音が聞こえるほど。ハリル監督は、顔をしかめながら練習中止と即時撤収を指示せざるを得なかった。経験豊富なDF長友でさえ「めちゃめちゃ痛かった。マジで危なかった」。

 ▽21年9月 W杯最終予選中国戦の開催地・ドーハで新型コロナウイルスの検査結果が出るのが遅れ、予定していた練習ができず

 ▽21年11月 W杯最終予選のベトナム戦で、オランダから欧州組が乗った航空機がロシアで給油のため立ち往生。

選手たちは丸1日機内に閉じ込められ、全体練習1回で試合に臨んだ。

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