◆第108回全国高校野球選手権大会最終日 ▽決勝 智弁和歌山4-3健大高崎(22日・甲子園

 智弁和歌山が逆転で健大高崎(群馬)を下し2021年以来、5年ぶり4度目の優勝を飾った。夏4度目VはPL学園に並び歴代5位タイとなった。

健大高崎は初優勝に一歩届かなかった。

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 健大高崎の鉄壁のディフェンスが、最後に乱れた。主将の石田雄星が劇的な逆転2ランを放った直後の8回。わずか2失点で決勝に勝ち上がったチームが、浮足立った。

 1死二、三塁からの投前スクイズを処理した2番手の北田莉玖が、間に合わない本塁に送球(記録は野選)。同点となり、なお一、三塁の場面で登板した石田翔大は、心の動揺を抑えることができずにいた。

 8番・山下晃平をカウント1―2と追い込んで投じたのはスライダー。しかし、捕手・大岩翔斗の要求はストレートだった。「智弁さんの応援というか、甲子園の魔物というか、そういうのに気を取られてしまった」と石田翔。山下のバットは空を切り三振となったが、大岩は捕球することができず、ボールが後方へ転がる間に決勝点が入った。まさかのサインミスによるワイルドピッチ。守りの要の大岩は「自分の責任。

どんな球が来ても止められるキャッチャーでなければいけない」と石田翔をかばった。

 青柳博文監督(54)は「大会を通じて、非常にいい守備を見せていたが…」と悔しさをにじませた。生方啓介部長(45)はスクイズに触れ「『同点でもいい』と伝令は出していた。一番怖いのは野選だった」と振り返った。それでも、健大高崎にとって初めての夏の決勝進出。指揮官は「この景色を見させてもらった。本当に幸せな監督です」と選手に感謝した。

 かつて「機動破壊」をスローガンに沸かせたチームが、この夏は「継投」で話題を呼んだ。8人の投手をそろえ、6試合のべ16人が登板。防御率0・83と卓越した数字で大会を終え、青柳監督は「優勝はできませんでしたが、こういうことをすれば勝てるかな、という目安は付きました」と言った。投手の健康を守り、より多くの選手にチャンスを与えられる細かな継投策。令和の高校野球に新たな形を示す準優勝でもあった。

(浜木 俊介)

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