先週はエヌビディア決算通過やスペースX、オープンAIの新規株式公開報道でAI半導体株が週後半に急反発。日米ともに最高値更新相場が続きました。

今週もAI周辺株の新たな発掘が続きそうです。ホルムズ海峡が開放されそうなことも追い風。ただ日本では長期金利が3%に迫る勢いで、金利上昇が有利・不利な企業の二極化相場が続くかもしれません。


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今週のトピック:米国ソフトウエア企業の決算発表。日銀・植田総裁の発言に注目?

日付 イベント 5月24日(日)
まで ・米国FRBの新議長にケビン・ウォーシュ氏が就任。米国・イランの和平交渉進展か 5月25日(月) ・4月全国百貨店売上高
・米国市場は戦没将兵追悼記念日で休場 5月26日(火) ・米国で3月ケース・シラー住宅価格指数、5月消費者信頼感指数 5月27日(水) ・日銀金融研究所の国際コンファランスで植田総裁があいさつ
・米国でセールスフォース(CRM)、スノーフレーク(SNOW)などが決算発表 5月28日(木) ・米国の4月個人消費支出の価格指数、2026年1-3月期GDP改定値
・米国でデル・テクノロジーズ(DELL)が決算発表 5月29日(金) ・5月東京都区部CPI、4月鉱工業生産、財務省月次ベースの為替介入の実施状況

・米国オープンAIの新規上場報道で反発したソフトバンクグループ(9984)や人工知能(AI)向けコンデンサー株が今週も続伸?


・米国でセールスフォース(CRM)やスノーフレーク(SNOW)など株価低迷が続くソフトウエア企業が決算発表。見直し買いが入るか。


・米連邦準備制度理事会(FRB)新議長にケビン・ウォーシュ氏が就任。日本銀行の6月利上げ説も飛び交い、日米の中央銀行要人の発言に市場が注目


・米国実業家イーロン・マスク氏が最高経営責任者(CEO)を務める宇宙関連企業・スペースXなどの巨額の新規株式公開(IPO)で、株式市場からの資金吸収リスクが表面化?


5月25日(月)の日経平均

 前営業日比319円の続伸スタート。中東情勢の緊張緩和など影響で上げ幅を拡大、一時2,000円高の6万5,000円台まで上昇し史上最高値を更新しました。前場は前営業日比1,803円高の6万5142円で終えました。(5月25日14時現在)。


今週のマーケット:中東緊張緩和で日経平均6万5,000円台まで上昇!スペースXなど巨額IPOの資金吸収リスクは?
日経平均株価のチャート図

先週(5月18日~5月22日)の主要株価指数

  終値 前週末比 前週末比率 日経平均株価 6万3,339円 +1,929円 +3.14% TOPIX 3,892.4pt +28.4pt +0.74% ダウ 5万579ドル +1,053ドル +2.13% S&P500 7,473pt +64pt +0.88% ナスダック 2万6,343pt +118pt +0.45%

今週のマーケット:AI半導体株のすそ野がコンデンサー、宇宙関連に拡大!米国大型IPOのリスクは?

 今週の株式市場はAIのさらなる普及に必要な半導体メモリ、中央演算処理装置(CPU)、電子回路に使われるコンデンサー関連などAI周辺株が幅広く、新たに物色される展開が続きそうです。


 先週、日本時間21日(木)早朝の米国エヌビディア(NVDA)の決算発表は前四半期の2026年2-4月期が前年同期比85%増収・3.1倍増益、今期5-7月期は95%増収見通しと、市場予想を大幅に上回るものでした。


 エヌビディアの株価自体は材料出尽くしもあって前週末比4.4%下落したものの、AI半導体の世界的な需要爆発が今後も続くことを好感して、多くの関連株は急反発。


 生成AIツール「ChatGPT」を運営する米国オープンAIの9月に向けた巨額IPOが報じられたことも追い風でした。


 オープンAIに巨額投資を行うソフトバンクグループ(9984)が前週末比17.6%高と急反発し、日経平均株価が22日(金)に史上最高値となる6万3,339円まで上昇する原動力に。


 また、先週は半導体の蓄電など電気回路に使われる積層セラミックコンデンサー株が急騰。


 今週も太陽誘電(6976、先週は前週末比34.6%上昇)、村田製作所(6981、同15.9%上昇)、TDK(6762、同12.6%上昇)など、日本が世界に誇るコンデンサー関連銘柄が続伸しそうです。


 AI脅威論で株価の低迷が続くソフトウエア関連企業では今週、顧客管理システム世界一の米国セールスフォース(CRM)やビッグデータ管理のスノーフレーク(SNOW)が日本時間28日(木)早朝に決算発表。


 日本でもソフトウエア業界大手のNEC(日本電気:6701)は2026年に入って前年末比22.7%安、富士通(6702)は23.6%安と、最高値相場から完全に取り残されているだけに注目されます。


 週末、トランプ米大統領がイランとの和平交渉が「ほぼ、まとまる」と発信し、ホルムズ海峡開放に向けた動きが出ているのも追い風。


 実際に和平交渉がまとまれば、これまで原油価格高騰やそれにともなう金利上昇で売られてきた自動車、鉄鋼、機械、建設、不動産といった景気敏感株が全面高する可能性も高いでしょう。


 28日(木)夜には米国の最重要物価指数である4月の個人消費支出(PCE)デフレーターの価格指数も発表。


 米国の中央銀行FRBが最重要視する、変動の激しい食品・エネルギーを除くコアPCEデフレーターは前年同月比3.3%の伸びまで加速する予想になっています。


 先週22日(金)にFRBの新議長に就任したケビン・ウォーシュ氏は就任宣誓式で利下げ発言を封印。

今後はウォーシュ新議長の発言で株式市場が大きく動くことになるでしょう。


 日本でも27日(水)の日銀関連の会議で植田和男総裁があいさつ。


 物価高騰や円安進行を食い止めるため、6月16日(火)終了の次回金融政策決定会合での追加利上げ観測が浮上している中、その地ならしに近い発言が出ると株価に悪影響が出るかもしれません。


注目イベント:スペースX、オープンAI新規上場

 先週の後半、AI半導体株が急反発するきっかけになったのは、電気自動車メーカー・テスラ(TSLA)の創業者でもあるイーロン・マスク氏率いる衛星通信網「スターリンク」運営のスペースXが6月のIPOに向けた目論見書を公開したこと。


 評価額2兆ドル(約318兆円)とされるスペースXはAIデータセンター事業も手がけており、22日(金)には次世代大型ロケット「スターシップ」の試験飛行にも成功。


 先週は日本でも宇宙ゴミ除去を行うアストロスケールホールディングス(186A)が前週末比21.7%高と急騰しており、今週も日米の宇宙関連株の上昇に貢献しそうです。


 スペースXに続いて生成AIソフト「ChatGPT」を運営するオープンAIも近日中にIPO申請を行い9月に上場予定で、評価額は1兆ドル(約160兆円)となる見込みです。


 AI革命第2幕といえる法人向けAIエージェント「クロード・コード」が世界的に普及しているアンソロピックも2026年内に1兆ドル規模のIPOを予定。


 こうした新興AI企業は株式上場で得た資金をさらなるAIデータセンター向け巨額投資に使う可能性が高く、AI半導体株全体にとって追い風になるかもしれません。


 ただし上場が間近に迫ると、日本円で数百兆円にも及ぶ巨額資金がこの米国新興企業3社への投資に吸収されてしまうため、他の株式を売る動きも加速するはず。


 非AI株のパフォーマンスがますます悪くなるとともに、AIバブルに対する懸念が高まるリスクもありそうです。


市場別マーケット動向

日本市場

 今週もホルムズ海峡が開放されない限り、AI半導体株を中心に一部の銘柄が急騰するものの、他の銘柄はそれほど上昇しない展開が続きそうです。


 先週はAI半導体株の中でも下落した銘柄が目立ちました。


 今期2027年3月期の最終減益見通しを発表し、先週前半までのAI株のスピード調整(短期的な下落)の元凶になったAIデータセンター向け光ファイバーメーカーのフジクラ(5803)が前週末比16.7%安と続落したのが象徴的です。


 高市政権による財政悪化懸念で10年国債の利回りは一時29年ぶりに2.8%台まで上昇。


 長期金利の上昇がさらに続くようだと、株価が割高なAI半導体株を含め、日本株全体にダメージを与える可能性も否定できません。


米国市場

 米国ではここ数週間、AIエージェントの普及に必要なCPUメーカーの株価が特に上昇。


 先週もアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)が前週末比10.2%高、インテル(INTC)も10.2%高となるなど、AI相場のけん引役になっています。


 ただ先週の米国市場ではイランとの戦争終結期待で電気・ガスなど公益事業やディフェンシブ色の強いヘルスケア、長期金利の上昇停滞を好感した不動産セクターなどが反転上昇。


 重厚長大企業の影響力が強いダウ工業株30種平均の史上最高値更新に貢献しました。


 今週もホルムズ海峡の開放実現で非AI株への資金回帰が続くかどうかに注目が集まります。


業種・銘柄の動き

銘柄 先週の騰落率 ポイント キオクシアHD(285A) +29.1% 好業績期待で今週も続伸? フジクラ(5803) ▲16.7% 月並みな決算で続落。今週反発できるか? エヌビディア(NVDA) ▲4.4% 好決算でも下落。AI周辺株への乗り換えが進み、今週も停滞? セールスフォース(CRM) +3.8% 2026年は前年末比32%安。
好決算で反転上昇できるか?

先週までの振り返り:リクルートHDや銀行株などAI株以外も上昇。長期金利上昇が株価の明暗を分ける!

 先週の日本株はAI半導体株以外でも上昇する銘柄が増えた一方、米国とイランの終戦合意期待で石油元売り大手のENEOSホールディングス(5020)が6.2%安、卸売セクターの三菱商事(8058)が7.1%安となるなど、インフレに強いとされる企業の株が下落しました。


 また、長期金利が急上昇する中、借入金に対する依存度が少ないサービス業、情報・通信業が買われ、依存度が高い建設、不動産業が売られるなど、相変わらず株価の強弱が激しい1週間でした。


 週間の業種別上昇率トップとなったサービス業では、欧米で人材派遣サイト「Indeed」などが好調で今期2027年3月期の25%最終増益予想を発表したリクルートホールディングス(6098)が25.1%高となったのが目立ちました。


 長期金利の上昇が収益増加に貢献する銀行業が上昇率3位、リース会社などその他金融業が4位。主力の三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が5.5%高、オリックス(8591)が7.9%高でした。


 またナイロン原料大手のUBE(4208)が今期の株主配当の50円増配を発表して25.5%高。


 今期営業利益が前期比82%増となる見通しとなった特殊ガスメーカーの関東電化工業(4047)が48.3%高となるなど、中小型の好業績化学メーカーの株も上昇しました。


 AI関連では、タクシー配車サービスが主力事業のFIG(4392)が台湾の有力企業との先端AIパッケージ検査装置の共同開発を発表して、5月に入り株価が前月末比5.1倍も上昇。思惑買いで急騰する銘柄も目立っています。


 ただ、日経平均が最高値を更新しても、33業種中上昇したのは13業種のみ。


 資源株以外にも、金利上昇が業績圧迫要因になり、ナフサ不足で原材料枯渇も危惧される建設業や不動産業は下落率上位に沈み、自動車や鉄鋼など世界経済の動向に敏感な外需株も売られました。


 今週、もしホルムズ海峡が開放された場合、これまで売られていた金利・景気敏感株が買われ、AI半導体株が利食い売りされる「逆・二極化相場」になる可能性もあります。


セクター・業種別騰落率(5月22日)

銘柄 騰落率 備考・要因 サービス業 +10.41% リクルートHD(6098)の上昇が貢献 情報・通信業 +6.28% ソフトバンクG(9984)の上昇が貢献 銀行業 +5.08% 長期金利上昇が追い風に 建設 ▲6.08% 長期金利上昇や原材料高懸念 卸売業 ▲6.22% 原油価格下落を嫌気

(トウシル編集チーム)

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