651系電車とは?

 JR常磐線で、かつて特急「スーパーひたち」に使われていた651系電車の塗装を模した車両が登場し、2026年4月11日に営業運転を開始しました。これは、常磐線の特急「ひたち」「ときわ」に使われているE657系電車を塗り替えたものです。

ふくしまDC(デスティネーションキャンペーン)特別企画の一環として「651系電車オマージュカラー」として運行されています。

【元祖タキシードボディ】ありし日の651系を見る(写真)

 651系は常磐線向けの特急形電車として1988(昭和63)年末に登場し、翌年3月のダイヤ改正で「スーパーひたち」として営業運転を開始しました。

 JR東日本発足後に初めて導入された特急形電車で、それまでの国鉄時代の車両とは一線を画す斬新かつ意欲的なスタイルと配色は注目を集め、「タキシードボディのすごいヤツ」というキャッチコピーも付けられました。

 さらに見た目だけではなく、最高速度を130km/hに向上させて常磐線特急のスピードアップも図っています。7両編成と4両編成が製造され、連結することで輸送力を柔軟に設定できました。

 常磐線特急は、速達列車の「スーパーひたち」に加え、のちに主要駅停車タイプの「フレッシュひたち」にも651系が充当されました。

 651系は、2013(平成25)年までに現行のE657系電車に置き換えられて一旦常磐線の特急から退きましたが、同年中に「フレッシュひたち」で復活し、2015年3月のダイヤ改正まで使用されました。

 また、2014(平成26)年からは高崎線方面の特急「草津」や「あかぎ」などにも651系電車が使用されています。常磐線では直流と交流の両方の電源に対応する必要があり、651系電車は交直流電車として造られていました。しかし、「草津」「あかぎ」は直流電源のみで走れるため、これらの列車で使う651系は1000番代として直流側に固定され、窓の下にオレンジ色の帯色を加えて区別されていました。

 このほか、伊豆方面の観光列車「伊豆クレイル(IZU CRAILE)」に改造された車両もあり、伊豆急行線にも乗り入れていました。

 常磐線では、いわき~富岡間の普通列車で2017(平成29)年から651系が再度復活して使用されていましたが、2020年に終了しています。

最後まで残ったのが特急「草津」「あかぎ」用の651系1000番代でしたが、これも2023年3月のダイヤ改正で運行を終了し、同年中に651系は消滅しています。

常磐線では6年ぶりの復活?

 651系電車の車体塗装は、ミルキーホワイトを主体として屋根の縁がグレーに塗られ、車体の裾にはオリーブグリーンの帯色が添えられていました。今回、「651系電車オマージュカラー」となったのはE657系電車で最初に製造されたK1編成で、651系の色合いに近付けて再現されています。

 先の通り、常磐線からは2020年に651系電車が引退したため、同車の塗装が6年ぶりに復活しています。オレンジ色の帯が入った651系電車を含めると3年ぶりの復活ともいえるのかもしれません。

 651系電車では、前面に大型のLED式表示器があり、列車名や行き先が表示されていました。「651系電車オマージュカラー」は先頭部の表示器を再現していませんが、ない方がスッキリとした印象があるのかもしれません。ほかのE657系電車との違いは車体塗装だけで、客室には大きな変化は見当たりません。

 ちなみに、E657系電車は近畿車輌と日立製作所、総合車両製作所の3社で製造されています。編成によってメーカーが異なるのが基本ですが、K1編成とK2編成は1~5号車が近畿車輌製、6~10号車が日立製作所製で、同じ編成内に二つの車両メーカーが混在しているのが珍しいのかもしれません。

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