後編:2026年度箱根駅伝シード校+13分台ルーキーズ最新報告(全3回)
駅伝、長距離の大学ルーキーに焦点を当てる今企画の最終回。後編では、前回箱根2位の國學院大、3位の順天堂大をはじめ、帝京大、城西大、日本大、またシード校以外では5000m13分台ランナーが入学したチーム、充実の補強を見せた神奈川大を紹介する。
前編〉〉〉「早稲田大ルーキーズが熱い! 即戦力トリオに加え、一般入試組も粒ぞろい」
中編〉〉〉「創価大は5000m13分台が6名! 中大、駒大、青学大も実力派ランナーが加入」
【実力派が顔をそろえた國學院大】
箱根駅伝2位の國學院大は、5000m13分49秒50の五十嵐新太(茨城・水城高)が持ちタイムトップ。4月11日の日体大長距離競技会の1500mで大学デビュー(3分51秒62の自己ベスト)すると、4月26日の同競技会では、5000mで自己記録に迫る13分52秒21で走った。高校時代は5000mでインターハイ8位、国スポ(国民スポーツ大会)6位とトラックで実績を残す一方で、駅伝でも全国高校駅伝1区5位、都道府県駅伝1区8位と全国の舞台で安定した結果を残しており、即戦力として期待がかかる。
青森・青森山田高から入学した工藤優唯と山本悠悟も5000m13分台を持つ。山本は4月11日の日体大長距離競技会の1500mで3分48秒64の自己ベストで新シーズンを迎えた。
入学早々好調なのが森松彩夢(岩手・一関学院高)だ。1500mでシーズンインすると、4月26日の日体大長距離競技会で13分57秒10の自己ベストをマークした。インターハイには1500mと3000m障害で出場し、トライアスロンでも実績があり、ポテンシャルが高い。
箱根駅伝3位の順天堂大は、5000m13分56秒14の佐藤賢仁(宮城・仙台育英高)が持ちタイムトップで、全国高校駅伝6区3位の実績がある。
そのほか、3000m障害で実績のある選手が複数入学。前田結人(京都・洛南高)はインターハイ4位、山口慶人(宮城・名取北高)は同6位に入賞している。4月12日の四大学対校陸上では、山口が8分52秒22の自己新記録をマークして対校戦1位(全体2着)を飾った。前田は4月25日の日本学生個人選手権で3位入賞。
【帝京大の松尾はハーフで1時間2分台】
帝京大は、松尾航希(千葉・市立船橋高)が大きな注目を集めそうだ。帝京大では現4年の楠岡由浩以来となる高校生13分台ランナー(5000m13分55秒07)で、2月の神奈川ハーフでは1時間02分47秒の日本人高校最高記録を打ち立てており、長い距離にも対応でき、駅伝でも活躍を見せてきた。全国高校駅伝では1区で早大に進学した3人に次いで区間4位と好走。都道府県駅伝でも1区4位で走った。さらに、奥むさし駅伝では、起伏のある6区(9.4km)で高校の部の従来の区間記録を40秒以上更新し区間賞を獲得した。ちなみに、一般の部を合わせても最も速かった(ファンランとして出場していた山口智規(現・SGホールディングス)よりも速かった)。
5000m14分08秒50を持つ福島命(長野・佐久長聖高)は、5000mでインターハイに出場。中学時代には駅伝で全国優勝を経験している。4月26日の日体大長距離競技会では5000mで15分かかってしまい、ほろ苦いデビュー戦となったが、時間をかけて力を蓄えていくだろう。
城西大は、5000m13分50秒88を持つ山本聖也(高知・高知農高)に注目。1500mでインターハイ3位の実績を持つ。3月にケガをして出遅れているが、櫛部静二監督が「2年後ぐらいを楽しみにしていてください」と期待を寄せる将来のエース候補だ。
伊勢村羚太(滋賀・滋賀学園高)も1500mでインターハイ7位入賞の実績があり、4月の学生個人選手権にも出場した(9位)。また、3000m障害で実績のある選手も複数名入学。岸本晟(京都・京都外大西高)は、U20日本選手権6位、鶴留唯月(宮崎・小林高)はインターハイ8位の実績がある。新たに入学した留学生のアロン・キプラガット・ルトは未知数だったが、4月12日の日体大長距離競技会でさっそく13分52秒88で走ってみせた。これから大きく飛躍しそうな予感がある。
今年の箱根駅伝で12年ぶりにシード権を獲得した日大には、新雅弘監督が指揮官を務めていた岡山・倉敷高から13分44秒74の首藤海翔が入学した。国スポ3位、全国高校駅伝1区8位、都道府県駅伝1区7位と実績十分だ。
首藤と同じ倉敷高から入った桒田旬斗は全国高校駅伝7区2位と好走し、全国3位に貢献した。また、髙澤颯(千葉・八千代松陰高)は同駅伝で5区区間賞に輝いている。3人は揃って5月4日の全日本大学駅伝関東地区選考会のメンバーにもエントリーされている。
【13分台ランナーたちもシードを狙う有力校に】
20年続いた箱根のシード権を逃し、再建を誓う東洋大には、5000m13分51秒83を持つ林柚杏(北海道・札幌山の手高)が入学。10000m28分台を持ち、全国高校駅伝でも1区7位と力を見せた。
同選考会にはもうひとり、1年生の加藤悠凌(福島・学法石川高)がエントリーされた。5000mは14分13秒98で、全国高校駅伝は補欠だったが、大学で飛躍を遂げる可能性を秘めている。
その他、インターハイ1500m8位の黒岩蘭太朗(長崎・長崎日大高)も注目だ。
大東大には、宮城・仙台育英高から5000m13分台を持つ近江亮、若林司が入学した。近江は高校2年時に全国高校駅伝の1区を担い、3年時は4区で区間賞を獲得した実力者だ。若林も全国高校駅伝では7区区間賞、都道府県駅伝でも4区2位と快走し優勝に貢献した。
東海大には、5000m13分台の近藤寿樹(神奈川・東海大相模高)が入学。近藤は全国高校駅伝では1区39位と振るわなかったが、同駅伝で5区3位の森本幸喜、6区6位の伊藤優喜と好走したふたりも入学し、付属校からの強化が進む。
神奈川大の新入生も目を引く選手が多い。新妻昂己(兵庫・西脇工高)は副将の新妻玲旺(4年)の弟で、早大の新妻遼己の双子の弟でもある。全国高校駅伝3区6位、都道府県駅伝では4区区間賞と駅伝で実績があり、高校時代は主将を務めた。
5000m13分台の選手が入学した大学を中心に注目選手に触れてきたが、あくまでも高校時代の実績、記録であり、そのまま大学での活躍に反映されるわけではないことをご承知いただきたい。この記事で触れなかった選手のなかからも、大学4年間で大きく飛躍する選手が出てくるはずだ。まずはルーキーイヤーの彼らの活躍を楽しみにしたい。



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