ワールドカップで、日本代表の対戦相手のひとつがスウェーデン代表に決まった。

 スポルティーバのYouTubeチャンネルで連載されている「林陵平のフットボールゼミ」にて、元Jリーガーの林陵平さんに欧州プレーオフを経て出場権を手にしたスウェーデンを徹底解剖してもらった。

【欧州の一流クラブの選手ばかり】

「日本にとって嫌な相手、やりにくい相手がきたな、と思います」と林さんが話すように、スウェーデン代表のメンバーは錚々たる顔ぶれだ。

 3バックには、左からビクトル・リンデロフ(アストン・ビラ)、イサク・ヒエン(アタランタ)、グスタフ・ラガービエルケ(ブラガ)。ボランチにはイェスパー・カールストロム(ウディネーゼ)とヤシン・アヤリ(ブライトン)。ウイングバックには右にダニエル・スヴェンソン(ドルトムント)と左にガブリエル・グドムンドソン(リーズ)。シャドーの左にベンジャミン・ニグレン(セルティック)右にアンソニー・エランガ(ニューカッスル)と、最前線にヴィクトル・ギェケレシュ(アーセナル)が構える。さらにベンチにはアレクサンデル・イサク(リバプール)、ルーカス・ベリヴァル(トッテナム)が控える。(メンバーは動画公開の4月29日時点)

 林さんは「弱点があるとすればゴールキーパーのところ」と指摘しつつも、フィールドプレーヤーの質の高さを強調した。

 監督は元ブライトン指揮官のグレアム・ポッター。就任後の直近4試合は2勝1分け1敗と、まずまずの滑り出しだ。

 スウェーデンの戦い方は明快だ。

 守備は基本的にローブロック中心。自陣で5-2-3を組み、中央を閉めて外へとボールを誘導する。攻撃はビルドアップをほぼ行なわず、後方からの長いボールをギェケレシュへ入れて、そのセカンドボールを拾う形が基本だ。

「ギェケレシュはポゼッションより断然カウンタータイプ。スウェーデンの戦い方は彼のよさが存分に出ている」と林さんは言う。

 ワールドカップ欧州予選プレーオフのウクライナ戦では、まさにその形が見られた。1点目は、シャドーの選手が拾ってギェケレシュに出すとそのまま突破。2点目もGKからのロングボールをギェケレシュが受けて、そのままゴールを奪った。林さんも「再現性のある得点パターン」と警戒する。

 そして、ボランチのアヤリもキーマンだと話す。

「縦に動き、推進力のある選手なので前に入ってきた時に、日本は少しつかみにくいかなと思います」

 2トップの5-3-2で組んでくる場合も想定すると、2トップにイサクとギェケレシュが立ち上がりから入ってくる可能性もあると話し、「アーセナル、リバプールの2トップは怖い!」と口にした。

【ポイントはウイングバックとサイドチェンジ】

 では、日本はスウェーデンとどう戦うのか。(日本はイングランド戦の時のスタメンで想定)

 マンツーマンの対応から始まり、15分を超えたあたりからは、日本がボールを保持していた場合、スウェーデンの5-2-3または5-4-1の守備をどう崩していくのかという展開が出てくると予想。スウェーデンは前述のとおり、引いた守備からカウンターを狙う形が多いため、日本は持たされる状況が続くと、カウンターを狙われやすくなる。

 林さんが最も強調したのがウイングバックの活用だ。スウェーデンは中央を固める分、大外のスペースが空いてくる。

ポーランド戦でスウェーデンが2失点したのも、いずれもウイングバックのサイドからだった。

「日本は、1発で逆サイドにサイドチェンジができれば、ウイングバックの1対1で仕掛けられる。堂安律や中村敬斗が大外から仕掛けてカットイン、折り返しで上田綺世という形が作れれば得点のチャンスが増える」

 また、5-2-3のツーボランチ脇のハーフスペースも狙いどころだ。ただしセンターバックが捕まえにくるため、シャドーをいったん落として大外でピックアップする動きがカギになる。

「その時に重要なのが佐野海舟鎌田大地の攻撃参加。この2ボランチが状況に応じて飛び出すことで、相手は捕まえづらくなる」

【相手に持たせてカウンターで仕留める発想も必要】

 一方、守備面では「ハイプレスとローブロックの使い分けが重要」だと林さんは話す。

 日本がハイプレスを仕掛けると、背後のスペースで3対3の状況が生まれ、スウェーデンはロングボールでそのスペースを狙ってくる。ギェケレシュやイサクと1対1のクオリティですべて勝てるとは言いきれない。そう考えると林さんは次のことが大切になってくると述べる。

「わざとスウェーデンに持たせることも重要だと思います。ローブロックで構えると相手はロングボールを蹴れないので運んできます。スウェーデンは狭いスペースでの崩しが得意ではないので、奪ったところから日本が鋭いカウンターを仕掛ける。そういう発想もできます」

 その判断力が、この一戦を左右しそうだ。

【ここに勝てれば日本は乗っていける】

 最後に林さんはこう締めくくる。

「今まで日本はハイプレスとポゼッションでDF4枚のチームには勝ってきました。でも5枚でカウンター思考のチームは一番やりにくい。ただ、スウェーデンに勝つことができれば、決勝トーナメントに行った時に、より幅が広がると思います」

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