中国本土のテクノロジー企業による新規株式公開(IPO)が2023年以降で最も好調な年になる勢いを見せている、とロイター通信が伝えた。米国との対立が深まる中で中国政府が技術の「自立自強」を目指し、国内の半導体や人工知能(AI)企業の上場を後押ししているためだ。
ロイター通信が引用したロンドン証券取引所グループ(LSEG)データによると、今年6月18日までに中国市場に上場したテクノロジー企業による資金調達額は計31億ドル(約5000億円)に達し、前年同期の5倍を超える規模となった。
上場を目指す企業の一つ、メモリー半導体メーカーの「鑫」の漢字の使用について確認が必要です(CXMT)は上海でのIPOで295億元(約6500億円)の調達を計画。LSEGのデータによれば、これが実現すると今年最大規模となり、年間の総調達額を3年ぶりの高水準に押し上げることになる。
国内上場の勢いが増している背景としては、中国の規制当局が6月17日に量子技術、核融合、脳コンピューター・インタフェース(BCI)といった「未来産業」のスタートアップの上場を支援すると表明したことが挙げられる。
また、上海証券取引所は自国企業のAI開発を促進する取り組みの一環として、大規模言語モデル(LLM)企業が「科創板(スター・マーケット)」で公募増資を行いやすくするための規則を公表した。
LSEGのデータによると、中国のテクノロジー企業による国内市場での年間調達額は23年の157億ドルから24年には27億ドルまで落ち込んだが、25年に36億ドルへ回復した。これに対し、25年に中国のテクノロジー企業が香港で調達した額は66億ドルだった。
中国証券監督管理委員会(証監会)は6月初めに上海で開催された金融フォーラムで、本土上場を目指す適格な香港上場企業を支援する方針を明らかにした。
光大証券国際のストラテジスト、ケニー・ン氏は「証監会による支援は本土市場へのアクセスを広げ、流動性を向上させる可能性がある」と説明。「将来的に他地域の香港上場企業も含まれるようになれば、投資家により多様な選択肢を提供し、市場にさらなる流動性をもたらすことができる」と付け加えた。
例えば1月に香港でのIPOで43億5000万香港ドル(約9000億円)を調達した智譜AIは科創板への上場を通じて150億元の調達を目指していると6月初めに発表した。
米国シティグループのアジア太平洋地域テクノロジー・通信部門共同責任者、ホーイン・リー氏は「本土への上場は香港市場で取引されている企業が、より広範な市場や国内投資家にアプローチする助けになる」との見方を示した。











