中国メディアの央広網は9日、中国各地で「24時間チェックアウト制(24時間ステイ)」を導入するホテルが増えていると報じた。

中国のホテルは一般に日本よりもチェックアウト時間が遅く、日本では午前10~11時が多いのに対し、中国では正午まで滞在できるところが多い。

そのため、日本を訪れた中国人観光客の不満ポイントとしてホテルのチェックアウト時間が早いことがよく挙げられる。

そんな中国では、正午のチェックアウトでも「(前日午後から)数時間しか滞在していないのに1泊の料金を取られるのは割に合わない」という不満の声が多いといい、そうした声に対応するため一部ホテルではチェックインの時間から24時間滞在可能な制度を導入し、好評を博しているという。

湖北省武漢市の「丹楓白露ホテル」もそのうちの一つ。同ホテルは主にビジネス客が多く、午後5時のチェックインであれば、翌日午後5時まで1泊分の料金で部屋を利用することができる。客室部門の責任者である張衛東(ジャン・ウェイドン)氏は「この制度を導入してからリピート率が高くなり、毎月の宿泊客の60%以上が常連客になっている」と明かした。

また、広東省広州市の「花園ホテル」は今年のサッカーワールドカップ(W杯)の期間中に特別プランを用意し、対象のスイートルーム161室は午後6時までにチェックインすればチェックアウトが翌日の午後6時になるサービスを実施した。深夜に試合を観戦した宿泊客がゆっくり休めるよう配慮したという。

ナイトエコノミーが発展している重慶市では、時間を問わずにチェックインする利用客が増えているため、柔軟な対応を取っている。市内13軒を展開する「沁住ホテル」では「24時間チェックアウト制」を導入しており、予約サイトのクチコミで「24時間滞在できるのは合理的」「今度重慶に来る時もここに泊まりたい」などと好評を博している。

中国の旅行予約サイト最大手の携程(トリップドットコム)によると、24時間チェックアウト制を実施しているホテルはまだ少数だが、多くのホテルでは午後2時や午後4時までのレイトチェックアウトに対応しており、予約時に「レイトチェックアウト」の条件でホテルを検索することもできる。

中国観光研究院長江観光研究基地の羅茲柏(ルオ・ズーバイ)氏は「24時間チェックアウト制」の導入について、「消費者のニーズに積極的に対応したものであり、ホテルが競争戦略として差別化を進めていることを示している」と述べた。

一方で、課題もある。

「丹楓白露ホテル」の張氏によると、「24時間チェックアウト制」を導入してから運営・管理コストが明らかに上昇し、客室稼働率も同規模のホテルより5~10%低下している。武漢市内でほかに「24時間チェックアウト制」の導入を試みたホテルもあったというが、その多くは取りやめたという。

また、「沁住ホテル」の担当者・烏平川(ウー・ピンチュアン)氏によると、「24時間チェックアウト制」の運用に当たっては、ホテルの管理システムがチェックイン・チェックアウト時間を正確に記録し、フロントや客室のスタッフに正確な情報をタイムリーに通知する必要があり、通常よりも高い対応能力が求められる。

湖北省料理・ホテル業界協会の曾文(ツォン・ウェン)副会長は、大規模ホテルであれば十分な客室数を活用して効率的な運営が可能だが、客室数100室以下の中小規模ホテルではコストが大幅に増加するため難しいとの見方を示した。

羅茲柏氏は、「24時間チェックアウト制」はすべてのホテルに適用できるわけではないし、そもそも24時間という形式にこだわる必要もないと指摘。深夜到着客向けの短時間宿泊プランや、閑散期と繁忙期で異なるチェックアウト時間を設定するなど、各ホテルの条件に合わせて柔軟な運営方法を模索することが肝要だとした。(翻訳・編集/北田)

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