台湾当局は8月に実施する年次防空演習で、初めてモバイル通信の速度を意図的に落とし、災害や中国による侵攻などさまざまな緊急事態で通信帯域が不足した場合に市民がどのように連絡を取り合うかを検証する。ロイター通信が伝えた。
計画文書によると、通信速度を落とす30分間、ビデオ通話、動画配信、交流サイト(SNS)の画像など高帯域を必要とするサービスが台湾北部・中部の14の県・市で利用できなくなる。対象地域には人口の約7割が居住している。
年次防空演習は中国が台湾周辺で軍事的圧力を強める中、台湾が備えを強化する取り組みの一環。当局は空襲だけでなく、封鎖やサイバー攻撃、侵攻に伴う通信障害についても計画を進めることを迫られている。
台湾の安全保障当局高官は記者団に対し、「今回の演習が中央政府機関だけでなく、市民が異なる通信手段の利用に向けた備えを強化する助けにもなることを期待する」とした。
また、台湾の太平洋岸沖で中国海警局の活動が最近急増していることにも言及。中国側は6月に日本とフィリピンが海洋境界の画定に向けた交渉の開始を発表したことへの対抗措置として実施する法執行パトロールだと主張しているが、海洋委員会海巡署(海上保安庁に相当)の職員は「中国が法執行を装いつつ、実際には管轄権の拡大を狙っている」と危機感を募らせた。
年次防空演習中に行う通信速度の減速は中部で8月10日、北部で同13日に、それぞれ実施される。ATM(現金自動預払機)、信号機、救急通報など、重要なサービスには影響しないという。
別の高官は「市民が代替手段を事前に考え、この30分間にどのような影響や変化があり得るかを検討することを期待する」と言及。代替手段には固定電話、固定回線のインターネット、トランシーバーなどが含まれると指摘し、「家族と連絡を取る方法や落ち合う場所を事前に決めておくべき」とも述べた。(編集/日向)











