2026年8月4日、中国メディアの経済観察網は、中国の新型コロナウイルスの感染者が再び増加傾向にある一方、治療薬を一般の薬局で購入できない状況が続いていると報じた。

中国疾病予防管理センター(CDC)によると、7月下旬の陽性率は上昇したものの流行規模は中程度で、北京佑安病院の李東増(リー・ドンズン)医師は、今後1~2週間は感染者がさらに増える可能性があると予測している。

一方、中国では治療薬の主な入手先が病院もしくはECプラットフォームに限られ、一般の薬局ではほとんど販売されていない。オンライン注文でも配送に1~5日かかることがあり、症状発現後2~3日以内の服用が推奨される抗ウイルス薬では、患者が適切な時期に治療を受けられないケースが生じているという。

記事は「こうした流通制限の背景には、22年に新型コロナ治療薬が条件付きで承認された際、国家医療保障局などが医療機関での使用を前提とし、小売薬局での販売を認めなかったことが考えられる。その後、一部の薬剤は正式承認へ移行したものの、関連政策は更新されず、多くの地域では22~23年に制定された販売規制が現在も維持されている。このため、薬局は販売許可がない限り治療薬を仕入れることができない」と指摘した。

続けて「治療薬が手に入らない結果、薬局では新型コロナ患者にオセルタミビルなどのインフルエンザ治療薬を勧める例も見られる。しかし、専門家はインフルエンザウイルスと新型コロナウイルスでは作用機序が異なり、両者の薬剤に互換性はないと指摘する。製薬会社関係者は、少なくとも半数の患者が適切ではない薬を服用している可能性があるとの見方を示している。一方、感染拡大を受け、複数の製薬企業は治療薬の増産を開始した。中国では23年以降、国産治療薬が相次いで承認され、26年7月には6種類の国産薬も条件付き承認を取得した。現在、一部薬剤は正式承認へ移行している」と伝えた。

医療関係者からは、特に高齢者や基礎疾患を持つ人は発症初期に抗ウイルス薬を使用することで重症化リスクを低減できると強調する意見もある。

また、患者の利便性向上や適切な治療機会の確保のため、一般薬局での治療薬販売を認める制度への見直しが必要だと訴える専門家もいる。一方で、免疫機能が正常な若年層や中年層は1週間程度で自然回復し、対症療法のみで十分なケースが多いとして、抗ウイルス薬は必須ではなく、患者の症状や重症化リスクに応じて使用を判断すべきだとする意見もある。(翻訳・編集/原邦之)

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