トランプ米大統領がイスラエルと共にイランに対する戦端を開いたのは、2月28日だった。トランプ大統領をはじめとする米国政府関係者は当初、4-5週間で目的を達成して戦闘は終結すると表明したが、停戦をはさみつつも8月下旬になって戦闘は終結していない。

トランプ大統領はイランとその支持者に新たな制裁を科すとの「脅し」を繰り返しているが、中国政府は米国の呼びかけに応じていない。中国政府はなぜ「強気」でいられるのか。フランスメディアのRFIは同件に関する中国を取り巻く状況を解説する記事を発表した。

トランプ大統領は中国に対してイランへの経済制裁に加わるよう呼びかけたが、中国は拒否した。中国はイランの主要な経済の取引相手であることから、米国の「前例のない制裁」に懸念を抱いているように見えるかもしれない。しかし実際にはかなり強気だ。

中国外交部の林剣報道官は8月21日の定例記者会見で、軍事的手段と制裁による圧力は問題解決の役に立たず、緊張を激化させるだけだと表明し、中国は、国際法上の根拠がなく、国連安全保障理事会の承認を経ていない違法な一方的制裁に反対し、各方面が対話と協議を通じて対立を解消するよう呼びかけていると説明した。

フランス国際放送局(RFI)の記者は、「中国政府はイラン制裁にあまり関心がなく、中東の現在の危機が続くことも心配していないようだ」と述べた。まず、中国は米国が自国の周辺地域から軍事力を撤収させたことを意識している。韓国に配備されていた「サード」ミサイル防衛システムは一時的に撤収された。米韓合同軍事演習も短縮された。航空母艦のジョージ・ワシントンが近ごろ中東に配置換えされた。

ジョージ・ワシントンは通常ならば日本に配備されている。米国海軍の空母は太平洋地域から姿を消した。

中国政府は米国の経済的脅威に対抗する自らの能力に自信を大いに持っているようだ。中国はすでに大量の石油備蓄を蓄積しており、ロシアからの原油輸入も増やしている。中国はさらに、希少鉱物資源を掌握している。米国企業、とりわけ国防企業はまさに、中国が掌握する希少鉱物資源に依存している。

また、中国の習近平国家主席は2026年9月に米国を訪問するという事情もある。トランプ大統領が2026年5月に北京を訪問して以来の、直接の対面だ。米中双方とも歴史的な相互訪問が「軌道からの脱線状態になること」、すなわち対立激化により制御不能になることを望んでいないようだ。(翻訳・編集/如月隼人)

編集部おすすめ