大相撲秋場所(13日初日・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が4日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた。綱取りに挑む大関・霧島(30)=音羽山=は横綱・大の里(26)=二所ノ関=らと16番取って10勝6敗。

横綱昇進へ順調な仕上がりをアピールした。大関昇進を狙う関脇・熱海富士(24)=伊勢ケ浜=は横綱、大関陣との申し合いにも入って16番取った。

 全身から気迫がほとばしった。霧島は大の里との稽古で火がついた。2番目では鋭い立ち合いから左上手を握ると、両者しばし膠(こう)着。右下手を握って頭をつけて前へ。相手を崩して、体を開いて上手出し投げで約1分の長い相撲を制した。その後も左から攻めて得意の右四つを封じ、「負けたくない気持ちで稽古出来た」と納得顔。5勝6敗だったが、「負けた相撲もいい相撲があった。楽しかった」と汗をぬぐった。

 一門が違う大の里との稽古機会は少なく、昨年7月の名古屋場所前の境川部屋で行って以来だった。稽古の途中に熱海富士(24)=伊勢ケ浜=が稽古に加わろうとしたが、霧島は目を合わせず拒否。

「(稽古すると)色々な作戦を考えられる」と、大の里だけを見つめた。

 霧島にとって大の里は立ちはだかる壁だ。24年夏場所の初対戦から10連敗。苦手意識を植え付けられ、完敗が続いたが、名古屋場所で初勝利。「(本場所の取組では)どんな流れになるかわからないが、相手に対応したい」。大の里も「相手も考えてきていた」とうなり、警戒心を高めた。

 先場所は2場所連続で優勝同点で審判部の浅香山部長(元大関・魁皇)が「優勝してハイレベルの成績ならば(横綱昇進は)あり」と明言した。横審委員の前で霧島は「力を見せようと一生懸命頑張った」と燃え、大島理森委員長(79、元衆院議長)が「期待できる。ファンが納得するような結果を出してくれれば」と話すなど、アピールに成功した。

 この日、相撲を取ったのは約2週間ぶり。初日までは出稽古を中心に調整していく。9日の時津風一門連合稽古では、一門外から参加予定の大の里と稽古する見込み。

「また違った成果が出ればいい」。天敵を克服し、最高位への道を切り開く。(山田 豊)

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