朝イチの花粉がいちばんキツイ理由って?
山から今日もたくさんの花粉がおりてきてるのでしょうか。
「朝起きた瞬間の花粉が、いちばんキツイ」と言う人は多い。

朝起きたとき、窓もあけていない室内で、いきなり目のかゆみやまぶたの重みを感じたり、鼻のむずがゆさがあったり、クシャミが出たり……。
これって、なぜなのか。
寝ている間に、いったん眠っていた感覚が覚醒し、急に敏感に働き始めるの? それとも、日中、体内にとりこまれた花粉が、寝ている間に蓄積されてしまうのだろうか。

「便秘〜」記事ご登場いただいた医療法人社団池谷医院の院長で『知って得! 正しい医学知識』(成隆出版)著者、池谷敏郎先生に聞いてみた。
「実は寝ている間にも花粉のアレルギーが起こり続けているんです。ただし、よほど症状がひどくない限り、夜に目覚めることなく朝を迎えます。寝ている間は症状を自覚しません。
しかし、目覚めとともに鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどを一気に自覚するというわけです。まさに天国から地獄です」
窓を閉め切っていても、部屋の中に持ち込まれる花粉の量は、実はけっこうなものだとか。

「私たちが体につけて持ち込んだり、窓から風に乗って入り込んだりした花粉は、寝室の空中に浮いています。そして、夜、寝ている私たちの顔の上にしんしんと降り積もるんです」
「しんしんと降り積もる」とは、なんとも恐ろしい事実……。朝起きた瞬間の花粉と同様に、外から家に入った瞬間に、くしゃみが出るということも多いけど、これももしかして……?
「部屋は、花粉を服につけたまま入ってくることで、花粉が少しずつたまっていきます。さらに、密室なので、外に出ていかず、花粉は増えるばかり。
風が吹いている外よりも、実は室内のほうが花粉は多いかもしれませんよ」

電車に乗った瞬間に、くしゃみが出ることも多いが、やっぱりそれも……?
「電車の中にも花粉をつけた人がたくさん集まってきますからね。自分がそれまでいた場所より、花粉がキツイ場所に入ってきたことで、急にくしゃみが出たり、目がかゆくなったりするんです」

こうして考えると、家に入るときに服についた花粉をちゃんと落とすことや、洗濯物の室内干し、さらに、空気清浄機の重要性なども頷ける。
花粉がついているかどうかが、目ではっきりとわかると良いのに……。ひとまず花粉よけの小さな工夫から、もう一度見直してみますか。
(田幸和歌子)