寒い季節、暖かくしてくれる味方といえば「こたつ」を思い浮かべる。冬、受験勉強をこたつでよくやったものだった。
そんな慣れ親しんだ暖房器具でも、布団がなかったら暖かくないはず。だが、そんな常識を覆す商品がある。

その名も『布団レスこたつ』(山善)。椅子に座って使用するタイプで、テーブル下のひかりヒーターの輻射熱で足元までしっかり暖めるという。布団要らずなのでホコリやハウスダストが出ないというメリットがある。また、搭載の2重スリム管ロングヒーターは表面温度が低く、消費電力は1時間当り7~8円。


さて、肝心の暖かさはどうだろう。山善さんにいくつか質問してみた。

――開発の経緯は
「ダイニングタイプのこたつは、リビングで食卓として利用されることが多く、食べこぼしや部屋の埃などで布団やカバーが汚れがちです。そのため、(特に女性の方から)洗濯するのが手間という意見が沢山ありました」
「そこで、“何とか布団なしで年中手間なく使えるものを”というコンセプトで開発しました。なので、(あまり気付かれませんが)テーブルだけでなく、椅子のカバーも取り外して洗濯できるように細部の清潔さにもこだわっています」

――従来のこたつに比べ暖かさの違いは
「これまで、ダイニング用ヒーターは基本的に従来の畳生活用のこたつ(高さ40cmくらい)用のものと同じタイプを使用していました。このため、暖める空間が広くなかなか温まりにくいのが実情でした」
「今回のヒーターは従来の“閉じた空間の空気を暖める”という発想から、“ヒーター熱の当たった部分を直接暖める”に切り替えました。
天板の裏に電気ストーブをくっつけたようなイメージなので、点灯した瞬間から暖かさを実感できます」
「輻射熱と遠赤外線の直進性の効果で足や床のポカポカ感はあると思います。電子コントローラーなので、熱さも小まめに設定可能です」
なお、電気ストーブとはタイプがまったく異なるそうだ。

――より暖かくするために、下に絨毯や毛布を敷くといったことは必要か
「直接よりは保温性のある敷物があった方が良いとは思いますが、床直接でも暖かさは実感できると思います。ただ、もともと汚れや洗濯の手間を省くというメリットがあるので、敷物を使用するかは好みによると思います」

布団の中でぬくぬくしたいと思う反面、布団なしで椅子に座りながら温まるこたつというのも一度経験してみたい気もする。さて、あなたはどう思いますか?
(羽石竜示)