真夏のクリスマス、どこが違う?
(上)水着にサングラス……チョイ悪(!?)な感じのサンタさん。<br>(中)メインストリートには星のイルミネーションが瞬く。<br>(下)オフィスでのクリスマスパーティも定番
街を華やかに飾るイルミネーションがまぶしい。今日はクリスマス・イブだ。
東京ではなかなか体験できないが、雪降るホワイトクリスマスなんて、なんともロマンチック。

しかし当然のことながら、世界には真夏にクリスマスを迎える国もたくさんある。南半球の国々や赤道付近の常夏のリゾートだ。でもサンタさんのあのフカフカの衣装や雪の中を走るソリを思い出すと、やっぱり夏のクリスマスは想像しづらい。いったい真夏のクリスマスはどんなふうに祝われているのだろうか?

そこでクリスマス前の南半球でその状況を調べてきた。今回訪れたのはオーストラリアのメルボルン。
ときは12月はじめ。日によっては最高気温が30度を超えることもあり、すでに季節は夏。街はイルミネーションで彩られ、巨大なクリスマスツリーも飾られている。

むむ、街の様子は日本と同じ? と思っていたら、現地在住の日本人の方が違いを教えてくれた。
「日本と違って、ツリーに雪の飾りがないんですよ」
確かによく見れば、ツリーは星やボールでシンプルに飾りつけられているものばかり。雪の降らないメルボルンでは、ツリーは雪の飾りがないものが主流。
少なくとも滞在中に雪のあるツリーはひとつも見なかった。とはいえ、最近では日本でも雪のないツリーは珍しくないが……。

一番驚いたのは、街で見かけたクリスマスグッズの店だ。なんと店の壁には水着姿のサンタクロースの絵! そういえば以前、サーフィンをするサンタクロースをどこかで見たような気もする。やっぱり夏のクリスマスではサンタさんも薄着なの?
「いや、これはちょっとしたジョークみたいなもの。確かに薄着のサンタさんの絵もよく見るけど、やっぱり正式な衣装はあのフカフカの赤の衣装という認識ですよ」
イベントなどには、日本と同じあの真っ赤な衣装で現れることが多いというサンタさん。
暑い中おつかれさまです……。ちなみに、真っ赤な衣装と白いアゴひげのサンタクロースのイメージを世界的に広めたのは、1931年にできたコカ・コーラ社の広告だって、知ってました?

そしてクリスマスの食事の定番といえば、オーブンで焼いたアツアツのターキー(七面鳥)。しかし最近では、
「暑いときに熱いものを食べたくないという人も増えていて、冷たいサラダやシーフードなどを用意する人も多いですね」
外でワインやビールを傾けながら祝うクリスマスというのも、なんだか気持ちがよさそうだ。また12月になると、特に金曜日には、クリスマスランチと称して、昼からパーティをする会社も多いという。これは日本の忘年会のような感覚らしい。

基本は同じだが、やはり日本とはひとあじ違う真夏のクリスマス。
みなさんもぜひ一度、現地で体験してみては?
(古屋江美子)