“著者はこの本のためではなく、10数年に渡って新幹線にまつわる文献を蒐集してきた。それがこの本に結びついている。資料の数がパナイ”と速水健朗も絶賛の『新幹線と日本の半世紀』(近藤正高/交通新聞社新書)がおもしろい。

〈はたして1億人の日本人は新幹線をどう迎え入れ、日常的に接するようになっていったのか。それについて、地域社会との関係、あるいは情報化や経済の動きなど、さまざまな切り口からたどってみたい。さらにいま、60億を超えるとされる世界の人びとに対し、新幹線はどんな役割を担おうとしているのだろうか?
本書ではそんなことを考えつつ、過去、現在、そして未来と、各時代における新幹線の姿を描き出すことができればと思う〉という「はじめに」を読んで、大きく出たなーって思ったら、本当にそういう内容が展開されていて、がうがう貪るように読んでしまった。

本書に出てくるエピソード群は、まあ、幅広い。
「タモリ上京に新幹線開通が影響を与えてる!」なんてエピソードも登場する。
ホテルの一室、盛り上がっている。たまたまドアの隙間からそれを見て、たまらず部屋に入ってしまうタモリ。
その盛り上がりは、ジャズピアニスト山下洋輔らの打ち上げだった。このとき仲間たちの注文にこたえて、タモリは次々と芸を披露。その後も、九州に公演に行くたびに打ち上げで一緒に騒いでいた。
タモリを東京を呼び寄せるため、山下らはスナックの客から金を募る。ちょうど新幹線が博多まで開通した直後だったのだ。