ぬるくなりきれていない日常


「きんモザ(アニメ『きんいろモザイク』のこと)枠」と呼ばれるアニメがあります。
女の子たちの日常を、ゆるーく描く作品群のこと。
疲れた時に見ると、心安らぐよね。
アニメ「がっこうぐらし!」のレビューは書かないほうがいいけど書いた
明るく楽しい「がっこうぐらし!」の日常は、あまりにも違和感に満ちすぎていた。
公式サイトより

『がっこうぐらし!』の1話序盤。
一見「きんモザ枠」に見えます。
ところが「ぬるさ」が徹底されていない。

まず、メインキャラのはずの「学園生活部」の様子が、ほとんど描かれていない。
そもそも学園生活部は、あっちこっち行くヒロインのゆきに甘すぎないか?
クラスメイトのヤンキー少女が、ゆきの親友ポジで何度も登場するのも、強引すぎない?

世界観全体に「ぬるさ」を持たせようという意志が見えない。
無理して日常系アニメにしている、違和感。

よく見るとこまめに不穏な映像がちらほら混じっています
みーくんが読んでいる本。黒板の赤い文字。校訓。学校のバリケード。放送室の外向きのライト。鳴らないチャイム。

原作既読組の方が不安になるアニメ


【CAUSION KEEP OUT】一切ネタバレを見たくないという人は読まないでください【CAUSION KEEP OUT】

全部、後半の事実を描くための下準備。

『がっこうぐらし!』第一話はニコニコ動画アニメ配信最速100万再生を記録しました。
事実が明らかになるシーンでショックを受けた人が、ニコニコ動画で多数発生。
無料公開されている癒し系アニメ『ご注文はうさぎですか?』第一羽にすぐさま退避。「がっこうぐらし避難所」のタグがつきました。
海外の反応(ニコニコ動画・ネタバレ注意)。ネタバレしてからのテンションのあがりっぷりたるや。
あっちこっちでお祭り騒ぎです。




もっとも原作が存在しているアニメ。ネタバレは承知済みの人も多いです。
ただ一話は、原作を知る人ほど不安を煽られます。

1・太郎丸の存在
犬の「太郎丸」は、原作では十数ページしか出てこない、ワンエピソードキャラ。
アニメでは、ゆきだけでなく、他のメンツ全員に見えているっぽいけど、そこにいるの?

2・みーくんの存在
コミックスで「学園生活部」にみーくんが合流するのは二巻以降。
ワケありでの参戦。OPにも、関わってくるキャラが出ています。
第一話から、みーくんがいるということは、話の展開は大きく異るはず。

3・みーくんとめぐねえが同じ場所にいる
みーくんと、先生であるめぐねえが同じところで生活している瞬間は、原作にありません。
この二人の関係は、作品全体のテーマに関わるポイント。
めぐねえの会話と行動をよく見てみてください。屋上の園芸部のシーンにも注意。

4・モブキャラがOPにも出てきている
ゆきのクラスメイトは、あそこまではっきりとは原作に出てきません。
なんで『キルラキル』の纏流子みたいな髪型なんだろね。
彼女たち、第一話のOPにも出てきています。
まさか別の形で出てくるの……? それともミスリード用?

5・「わたしたちは元気です」の手紙が違う
原作で風船につけた「わたしたちは元気です」の手紙は、ゆき、くるみ、ゆうりの三人+なんかの動物。
アニメOPではプラスして、めぐねえ、みーくんが追加されています。

6・部活を忘れて家に帰ろうとした話
ゆき「そういえばこの前さ、部活忘れて、うっかり家に帰りそうになっちゃったー。でもめぐねえが止めてくれてさ」
家に帰る、という行為の意味と、めぐねえの存在が気になります。

ゆきのキャラクター。羽根つきのカバンに帽子。
萌系少女の「天然性」を、「幼児退行」「逃避思考」「病み」として描いています。
エンディングの「Sweet Dreams」が悲しい。

にしても「ぐらし」ってついてるアニメはホント油断ならんな。

(たまごまご)