
以前、コネタで「女装っ子専用の更衣室」や「女装子だけが入れる図書館」を取材したことがあります。要するに、市井に「女装」が浸透している現実がある。
とは言え、モチベーションがあってもなかなか踏み出せない人は多いはず。これは、悶々とするしかないのか……?
人目のない場所でこっそり始めるライトな女装
いや、そんなことない! このモヤモヤを解消すべく、絶好のアイテムが登場しました。アイデアグッズブランド「BIBI LAB(ビビラボ)」は、10月よりセーラー服型の男性用ルームウェア『ボクセラ』を発売します。
『ボクセラ』とは「ぼくのセーラー服」の略。その名の通り、思いっきりセーラー服型です。
「当ブランドには『隠れた文化を世に紹介する』、『みんながタブー視していた業界にメスを入れる』という開発テーマがあります。そういう意味で『女装』や『オトコの娘』は1年前から注目していた大テーマでした」(担当者)
そこで同ブランドは、"女装音楽家"のけぃあずなぶるさん&"オトコの娘アイドル"仲良真澄美さん協力のもと、女装業界のイマを取材。結果、様々な状況が浮き彫りとなりました。列挙すると「男性の5~7%程度は強い女装願望を持っている(同ブランドによる推定)」、「女装家人口はクラスに一人という定説(女装家よりヒアリング)」、「大阪では日本橋などミナミエリアを中心に、20~30代の若い世代による『カジュアル女装』が台頭」。
そんな中、「BIBI LAB」は大きく以下の2つの意見を抽出しています。
(1)性的マイノリティではない、いわゆるストレートな男性(20~30代)が、コスプレやファッションの延長として、または非日常体験を通したストレス発散を求めて女装を始めるケースが増えている。
(2)広く一般世間の理解を得るのはまだ時間がかかるだろうと考え、親しい友人にも内緒で活動する女装家が多い。
「この二点を考慮し、『人目のない場所でこっそり始めるライトな女装』という製品コンセプトが生まれました」(担当者)
そんなわけで、ルームウェアです。しかも、フォルムは「セーラー服」。

ここで聞きたい。なぜ、セーラー服型なんでしょう? スチュワーデスとかナースとか、他にもパターンは色々あるけども。
そこには、どうやら以下の3つの理由があるみたいです。
(1)男性が憧れるコスチュームの上位常連であり、女性的可愛さの象徴でもある
(2)もともとは水兵の制服で「実は男性服なんですよ」の切り口でうんちく的な話題が作れる
(3)近年、ネットで見られるセーラー服ブーム
余裕があるサイジング&ワンピースで「全裸のような開放感」が味わえる
では、『ボクセラ』の特徴を挙げていきましょう。
かわいいの象徴「ニーハイ」

冷え性でも安心、冬用ニーハイが付属する。男性の太い足でもゆったり着用できるよう、伸縮性に優れた生地を使用している。表面はすべすべの手触りがクセになるベルベット。
あこがれの「絶対領域」が作れる

スカートの裾とニーハイソックスの境界で生まれる「絶対領域」。それは女の子のftmm(ふともも)のみに出現が許されたサンクチュアリ。今まで見ることしかできなかったあの聖域を、我が物に。
女子力を高める「フリル&レース」

たっぷりとボリューム感のある2 段フリルのスカート、裾には純白のレースがあしらわれた。繊細で儚く、乱暴に扱えばすぐに壊れてしまう。そんな乙女らしさを表現している。ゆらゆらとひるがえる"見えそうで見えない"を体感してください。
分厚く、もふもふの「フリース生地」

表・裏に毛足の長さが異なる起毛フリースを採用。軽さ、暖かさ、やわらかさで、快適なウインターライフをサポートする。
ゆったり着れる「サイジング」

ガチムチ体格でもストレスなく着用できるよう、腕まわり、胸まわりの横幅に余裕があるサイジングに。標準体型の人は寒い季節にたっぷりと着込むことができ、体温調節が容易に行える。
ワンピースのメリット ~全裸のような開放感~

ワンピース構造の最大のメリット。従来型パジャマに見られる「ウエストゴムでお腹が苦しい」問題を解決し、メタボ体型の人でもリラックスして着用できる。このように一切のストレスから開放された着心地を「全裸のような開放感」と表現した。
男の視点から意外に感じたのは、ワンピースの着心地の良さ。
「普段着ていない(女装していない)だけに、『ワンピースってこんなに楽なの?』と驚きました。すぐ脱ぎ着できる、お腹が締付けられない、スウェットズボンと相性良し。男性服にはない機能性です」(製作スタッフA)
そんな『ボクセラ』の価格は、8,200円(税別)。ホワイトとブラックの2色が展開されています。


「短パンを履いて試着したところ、それでも生足が少し出てるのでソワソワしました。普段感じない、なんとも言えない感情ですね。非日常感がすごくありました。もし短パンを履かないで素肌に『ボクセラ』を着たら、一線を超えてしまいそうです(笑)」(製作スタッフB)
そして、今後の展開について。
「今回の反響と加速度的な売上で、需要の大きさがわかりました。ベタなところでブレザーやメイド服のように、一度は着てみたかった(?)分野も検討してみたいと思います」(担当者)
女装への第一歩は、ルームウェアから? なるほど、それは良いアイデアだ。
(寺西ジャジューカ)