西島秀俊が特殊な“診察眼”を持った医師・為頼英介を演じる連続ドラマ「無痛〜診(み)える眼〜」(フジテレビ水曜10時)。10月14日放送の第2話では、義姉・和枝(浅田美代子)が緊急搬送された病院の院長・白神陽児が為頼に急接近。

なぜ伊藤英明は“待たせない医療”を実現できるのか
第1話で描かれた通り魔事件。腹部を刺された和枝が運びこまれたのが、伊藤英明演じる白神陽児率いる白神メディカルセンターだった。退院する和枝を迎えに行った為頼は、白神に誘われるまま、院内を見て回ることに。同センターでは医師の数を増やし、診察時間にも余裕を持たせ、“待たせない医療”を実現しているという。

「患者のためになるなら、あらゆる方法を模索して古い習慣は壊します」と熱く語る白神。さらに為頼の診療所を訪ねてきた白神は為頼と同じ「診(み)える眼」を持っていると語る。「治らない患者にあれこれしても結局時間の無駄」と断じる白神に、為頼は反発。しかし、白神は「(為頼も)同じことをしている」と主張する。為頼が治らない患者に寄りそうように、白神も「苦痛を与えず、安らかに逝けるよう最大限の努力」をしているというのだ。

大きな身振り手振りをまじえながら、熱く語りかける白神は説得力バツグン。でも、もっともらしい分、うさんくさくも見える。高邁な理想を掲げる熱血医師か、それとも、稀代の詐欺師なのか。白神の正体はまだ見えてこない。

痛みは人間から、生きる希望を奪うのか
白神は「痛み」に並々ならない関心を抱いている。「痛みは人間から生きる希望を奪う」というのが白神の持論。白神は「完全なる無痛こそが、私の最終目標なんです」とも言う。為頼は賛同も反論もしない。しかし、そんな白神の主張を裏付けるような事件が起こる。

金がなく、肺気腫の治療をできず苦しんでいた初老の男が自殺をはかる。それも単なる自殺ではなく、他殺に見せかけるよう、同じく病気に苦しむ貧しい友人に持ちかける。犯人としてつかまれば、刑務所で治療が受けられるという苦肉の策だった。

結局、為頼の診察眼により、その計画は阻止される。伊藤淳史演じる早瀬刑事は「友人なら無理矢理にでも止めるべきだったんじゃないのか?」と、相変わらず無神経なまでの正義感を振りかざすが、為頼は沈黙。白神の主張を反すうする。たしかに、白神の言っていることには一理も二理もあるのだ。

西島秀俊のかわいらしさを引き出すのは、やっぱりこの人!
苦しい検査に長い待ち時間、殺風景な病室にまずい病院食。

ヒロイン・菜見子を覚えていないという為頼を「こんなかわいい子忘れるなんてひどい」と茶目っ気たっぷりになじる。「関係ないだろ。かずさん、ハウス! ハウス!」「何よ、ハウスって! 犬じゃあるまいし」とじゃれるふたりが微笑ましい。白神が突然、診療所を訪れてきたときも、何事かと身構える為頼を尻目に「ええーっ! 白神先生」と盛り上がり、「どうぞどうぞどうぞ〜♪」と招き入れる。

だいたい、為頼の“診察眼“も和枝にかかると「バレちゃった? 何だっけ、あの……犯因症?」と、小学生のいたずらか何かのような軽い扱い。口をとがらせ、反論したり、「かずさん、ごはん早くね!」とねだる、西島秀俊。かわいらしすぎる! やはり、とことんマイペースなかずさんあっての“英介クン”なのだ。

さて第3話では、いよいよ為頼が早瀬刑事の心の闇に踏み込むらしい。予告動画で「今のままだと人を殺す」「落ち着け、君には犯因症が出てる」と警告されていた早瀬。
(島影真奈美)