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兵庫県福崎町、怖すぎる「河童」で町おこし 立役者の小川知男課長補佐はどんな人?

兵庫県福崎町の辻川山公園では、池から現れる恐ろしい様相の河童「河次郎(がじろう)」や、機械仕掛けで飛び出す天狗の造形物など、リアルさを追求した妖怪を使った一風変わったまちおこしが行われています。



その中心となるのは、福崎町地域振興課の小川知男課長補佐。河童や天狗のデザインも自ら行っていて、こだわりは「子どもが泣くほどリアルに」なのだとか。子どもを泣かそうなんて、アンタ鬼ですか! どんな人なのかフツフツと興味が沸き、小川さんに話を伺ってみました。

テーマは○○○○ 怖い妖怪にしたわけとは


兵庫県福崎町、怖すぎる「河童」で町おこし 立役者の小川知男課長補佐はどんな人?
池から出る河童を制作したチーム。左から、智進電機(株)代表水田智さん、(株)ポップ工芸の守屋徹志さん、機械屋さん(名前は非公開)、機械屋さん(名前は非公開)、小川知男課長補佐。提供:福崎町地域振興課


――リアル妖怪のまちおこし、どれくらいの反響があったんですか?

「平成26年度は前年度に比べ、1年間で観光客が35%増になりました。池から出る河童について、今1日に1回は問い合わせがある状態です」

――河童の河次郎は、福崎町に生家がある民俗学者・柳田國男の著書『故郷七十年』に登場する、市川の河童のガタロ(河太郎)をモチーフにした創作キャラクターだそうですね。池から河童を出した、もともとのきっかけは?

「もともとは辻川山公園のため池の水が浄化装置でもきれいにならないから、町長に『なんか造形を作れ』と言われたことがきっかけです」

――河童の顔、怖いですよね。

「造形のコンセプトは『なまはげ』です。お化け屋敷って怖いのに、なぜかまた入りたくなるものですよね。怖いもの見たさを刺激する方向性でいこうと考えました。妖怪の怖さは僕の中で、ぶれさせたくないところです」

最初に作った河童のラフ造形が、思った以上の逆風だった


――最初から怖いキャラクターは前向きに歓迎されていたんですか?

「怖くて気持ち悪い方向でいく、と決めて作った最初の河童のラフ造形が、思った以上に観光係の職員から反対の嵐でした。池から出てくるのは当然、ゆるキャラだと思っていたようです」

――このときに意見を曲げずに、企画を進めたのはなぜ?

「かわいいキャラはどこにでもありますから。リアルで気持ち悪い方向で行くことが間違っていないと思っていました」

――造形についても、リアルさ以外にもこだわられたそうですね?

「河次郎の髪の毛は植毛しています。池から沈むときに、髪が広がって不気味な演出効果があるんです。河童のからだの色は、よくある緑を避けました。
いい意味で見る方の期待を裏切るものを作りたいと思っています。ただ、河童が予想以上に人気が出てしまって、今後クオリティを下げられないというプレッシャーもありますね(笑)」

造形以外にもこだわりがあった


――河次郎は9時から18時、30分ごとに水中から出しているそうですね

「当初はたまたま会えるくらいの頻度で登場させる予定でした。一日、1回2回ランダムに出てきて、『見たらええことある』くらいの感覚ほうが、自分的にはいいと思っています。観光客のために定期的に出してほしいと言われて、この頻度で出すようにしています」

――河次郎があっという間に沈んでしまいますね。動画には「(沈むのが)速っ!」と言っている人もいます。これは意図的にされたのですか?

「もちろんです。ずっと見せてはダメだと思っています。パッと出てパッと消えるから、また見たいと思うんです。
ちなみに一度年配の女性がすごい文句を言うので、しばらく出しっぱなしにしてみたら、すぐに見飽きて帰って行きましたね」

小川さん、じつは造形は始めてからまだ5年ほど


――池から出現するガジロウの制作期間はどれくらいでしたか?

「制作期間が構想も入れるとまるまる1年、制作期間は4か月かかっています」

――造形屋さん、機械屋さんとチームで作ったそうですね?

「リアルな河童のデザインにGOサインは出たものの、河童を池から出したり沈めたりする業者が見つからず、まずはお化けを作る造形屋さん探しに奮闘しました。その後は、池から河童を出す装置を請け負ってくれる会社探し。こちらは電気製品工場などを使うロボットを作る会社さんが快諾してくれました。『みんなで考えましょう』と言われて嬉しかったですね」

――制作は順調に進んだんですか?

「河童を動かす機構が水の中で使うとなるといろいろな問題が発生して、試行錯誤がありました」

――この造形は、具体的にはどのような機構でできているんですか?

「本体はFRP(繊維強化プラスチック)。河童の下に洗面器を裏返したような形状の台座があり、穴が開いていて、コンプレッサーで上がってきます」

――河童のデザインするときに参考にしたものは?

「特にありません。しいて言えば、『エイリアン』などの映画に出てくるクリーチャーの手足が細くて長く、頭が大きいバランス感を参考にしました」

――小川さんは普段から造形を作っていらっしゃるんですか?

「趣味で作っているのは人型がメインです。むきむきのおっさんや兵士なんかを作っています。造形を始めたのは5年くらい前です。取引先の業者さんとガンプラの話をして、久しぶりにプラモデルを作ったら面白くなったんです。造形は横に添える人形が売っていなかったので自分で作るようになりました」

兵庫県福崎町、怖すぎる「河童」で町おこし 立役者の小川知男課長補佐はどんな人?
小川さんが趣味で制作している造形もリアルだった


今後も怖い妖怪は、続々と増殖予定


――河次郎が話題になって、今リアル妖怪制作には追い風なんじゃないですか?

「いやあ、経済効果というのはきちんと伝わらないものなので。『いくらお金を使ったんだ?』と、反対する人もいます」

――観光で来た方には、どんな体験をしてほしいと考えていますか?

「『規模は小さいけれど意外と面白かったやないの』と、思っていただければ本望です。個人的には、行列ができることは望んでいなくて、近所のおじいちゃんおばあちゃんが、盆と正月に孫を連れて行く場所になればいいくらいに思っています。町の職員の立場として言うなら、福崎町を知っていただいて、多くの方に遊びに来ていただければ幸いです(笑)」

――辻川山公園テーマパーク構想は今どのようになっているんですか?

「辻川山公園に限定せず、今福崎駅を開発しているところで、駅から辻川山公園までの道を散策できるスポットにする方向で進めています。新しい妖怪についてはまだ情報公開できることが少ないのですが、今年度2体制作する予定です」

ちなみに小川さんは次の妖怪のラフスケッチを描き進めているそうです。

収益ではなく面白さを追求する小川さんの姿勢が、今回の河童人気に繋がった様子。怖い妖怪には、しっかりと練られた戦略があったんですね。福崎町のリアル妖怪まちおこしから、今後も目が離せません。
(石水典子)

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