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武井咲「黒革の手帖」原作のモデルになった現実の犯罪をお勉強させていただきます

もっとも、先の文章には、この事件と微妙に異なる点もある。文中の事件では、土地成金が税金逃れのため、架空名義で預金をし、それを行員が解約ということにして横領したものとされている。だが、現実の事件では、女性行員はほとんど預金者のカネには手をつけていない。横領したうち半分以上の5億7千万円余りは、出納係をだまし、客から預金の払い戻し請求があったように見せかけて、預金元票や支払伝票に虚偽の事実を記入し、現金なり小切手なりを騙取(へんしゅ)したものだった。つまり彼女は、実際に預金がないのに、あったように粉飾し、伝票を操作して銀行のカネを着服したのである(和久峻三『裁かれた銀行』角川文庫、作品社編集部編『読本 犯罪の昭和史3』作品社)。この手口にかぎれば、罪名は業務上横領罪ではなく、詐欺罪ということになる。

現実の彼女と『黒革の手帖』の主人公の共通点


現実に起きた9億円横領事件では、ギャンブルに溺れた男に、ときに横領の事実をバラすと脅されながらも、銀行からカネを横流しし続けた女に対し、世間はわりと同情的であったという。

作家の上坂冬子は、それとはべつの意味で、女性行員に同情を示した。上坂が注目したのは彼女の年代だ。事件発覚時、くだんの行員は42歳で、上坂と同い年だった。そればかりか、業種は違えど、高校を出て(行員は中退して)就職したのは終戦直後のほぼ同時期。上坂は39歳まで勤めたので、行員の彼女が事件で銀行をやめた年齢にこれまたかなり近い。それだけに上坂には彼女と自分とを重ねあわさずにはいられなかった。

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「武井咲「黒革の手帖」原作のモデルになった現実の犯罪をお勉強させていただきます」の みんなの反応 3
  • 匿名さん 通報

    クッソ読みにくい記事だな。文章の構成を考えろ。

    8
  • にゃーす 通報

    ごちゃごちゃで、さっぱり分からなかった。

    7
  • 匿名さん 通報

    いや、分かりやすかったですよ。 記憶違いでなければこの女性は、美人ということもあり「悪事に手を染めてまで恋人に貢いだ良い女」と評判になったんですよね。 獄舎に求婚の手紙が何通も届いたとか。

    1
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