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「いだてん〜東京オリムピック噺〜」少年時代の金栗四三は夏目漱石と会っていたのか2話

この五高に出かける場面では、嘉納治五郎の柔道の試合を人垣に阻まれて見かねていた四三少年を、口ひげの青年(ねりお弘晃)が抱き上げて見せてやるというエピソードも印象的だった。語りでは、この青年がのちの文豪・夏目漱石らしいことがほのめかされる。嘉納治五郎と、無名時代の四三と漱石が、思いがけず一つの場所に居合わせていたとは、まるで山田風太郎の明治物の小説のようで面白い。

時代考証からいえば、当時四三は5歳で、年号でいえば明治29(1896)年と、たしかに漱石が五高に赴任した年にあたる。ただし、嘉納が五高の校長を務めたのは明治25年からの2年間で、このころにはすでに東京高等師範学校の校長となっていた。四三が見に行ったのは、嘉納が久々に熊本を訪問したときだったのだろう。ついでにいえば、漱石はこれ以前にも嘉納と接点があった。漱石は大学卒業後の明治26年に東京高等師範学校の英語教師に就任しているが、嘉納はその翌年より同校の校長となる。ただし二人が同じ職場にいた時期はごくわずかで、漱石は1年後の明治28年には松山中学の英語教師に転任した。この松山時代の体験を踏まえ、のちに彼が書いた小説が、「いだてん」第2話のサブタイトルにも引用された『坊っちゃん』である。

第2話ではまた、四三とは同年代ながら、何もかも対照的な志ん生の生い立ちを並行しながら描いたことも、ドラマに幅をもたらしていた。学問や体を鍛えることでひたすらに上をめざす四三に対し、子供のころからばくち、酒・たばこを覚え、堕落した日々をすごしていた志ん生。あげく吉原の遊郭で遊んだカネを踏み倒そうとするのだから、どうしようもない。だが、そんな彼の人生も円喬との出会いにより変わろうとしていた。

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「「いだてん〜東京オリムピック噺〜」少年時代の金栗四三は夏目漱石と会っていたのか2話」の みんなの反応 8
  • 匿名さん 通報

    面白いと思います。小気味いいリズムのある展開に引き込まれます。見ていて飽きません。

    2
  • 匿名さん 通報

    「いだてん」は「あまちゃん」よりも夏目漱石を描ききった「吾輩は主婦である」とリンクしてると感じた。サブタイトルにも仕掛けがあるのかも。最終回まで全部録画するわ。

    2
  • 匿名さん 通報

    >堕落した日々をすごしていた志ん生。あげく吉原の遊郭で遊んだカネを踏み倒そうとするのだから、どうしようもない。 若き日の破天荒なキャラクターですね。

    2
  • 匿名さん 通報

    >NHKの朝ドラ「あさが来た」(2015〜16年)でも、自転車が女性の社会進出を象徴するモチーフとして使われていたのを思い出す。  なんだか、懐かしい気がします❗

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  • な、夏目漱石なんて…。 通報

    夏目漱石なんて、志賀直哉とか、菊池寛とか、芥川龍之介とか寄せ集めて小説を「書け、書け」女々しい男でしょ。だから大衆ウケする。前者の二人も、夏目をめっちゃ嫌ってたそうです。

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