「中居……ナカイ……中居……ナカイ……」
噂を聞きつけて集まってきた人たちに、“中居コール”を促す中居。手拍子のタイミングがつかみづらい妙なテンポ。
ステージではキビキビ踊る中居くん、リズム感はいいはずなのに……。
オープニングの撮れ高に納得がいかず、中居の仕切りでテイク3。電動バイクでスタートするまでが長い。番組開始から15分が経過していた。
ひゃ~中居くんが破天荒すぎてヤバイよヤバイよSP「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」最後の意味は
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スター中居「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」SP


7月20日放送の「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」(テレビ東京系)2時間半スペシャルに中居正広がゲスト出演した。その名も、「あぁ新緑の山形縦断!絶景の蔵王に赤湯!ゆけ温泉街道105キロ!ですがひゃ~中居くんが破天荒すぎてヤバイよヤバイよSP」。(参考)

田んぼとさくらんぼ畑に囲まれた電柱の陰に隠れて待つ中居。
電動バイクでやってきた出川と土方ディレクターがやってきたが、出川は気づかずスルー。「哲ちゃん、哲ちゃん」中居が呼びながら小走りで追いかけた。ゲストが気付かれない……。
「スターのオーラが出てなかったのかな」と出川。「最悪ですよ」「何の番宣もなく出てるのに……。」こぼした中居。20年来の付き合いだという二人。
これぞリアルな友情出演だ。

今回の旅は、山形県東根市にある樹齢1000年の東根の大ケヤキ前からスタート。中居と合流し、天童市、山形市を経由して、ゴールの米沢牛の名店を目指す一泊二日の旅。中居のバイクには、ピンク色のキラキラ塗装に星が散りばめられ、大きな「中居正広」の文字。ジャニーズファンが持つうちわのよう。

出川「10何年ぶりなんでしょ?テレ東一人で出るのは?」
中居「一人で出んの?いやもう20年以上ぶりでしょ!初めてじゃない?」
平山P「1996年以来です」
中居「5人…6人でやってたから、一人で出るなんてない」
出川「23年前だ、ありがとう」
握手を交わした二人。
先ほどスルーされたときに流れていたのは、SMAP「SHAKE」。

「やばいよ!やばいよ!」出川が叫ぶ


「充電させてもらえませんか?」はスマホではなく、電動バイクのバッテリーのこと。2時間の充電で20キロほど走行できるという。

通りがかったグラウンドで、少年野球のチームを発見すると合流した一行。少年らが「中居くんだ!」と歓迎ムード。一打席対決で中居はファウル、三振と続いて、最後にレフトオーバーのヒット。アイドルらしさが出てきた。
ここでもSMAP「笑顔のゲンキ」が聞こえてきた。
ラーメン屋で一回目の充電。食べ終わって店を出たら、沿道にはずらーっと見物客。距離を伸ばすにつれてスターらしい映像が撮れてきた。

道中の会話を踏まえて、中居のソロ曲「トイレットペッパーマン」、民家で充電をお願いした時には「はだかの王様~シブトクつよく~」、どうにかたどり着いた旅館で、豪華な食事を堪能していると「セロリ」が。ごく自然にSMAPの楽曲が流れるテレビ東京。

「そうきましたか」「懐かしい!」会話と連動した選曲に、編集スタッフのセンスを感じた。二曲目以降は、もはやイントロクイズ状態。

充電させてもらったお礼に配る番組ステッカーも中居仕様。出川も「違う違う違う中居くんのになってる」「しかもデッカイじゃん!」。木版画イラストレーター宇田川新聞が手掛けたスイカをモチーフのステッカーも、出川ではなく中居のイラスト。ロゴも「中居正広の充電させてもらえませんか」に変わっていた。

中居は「なんかね、たぶんスタッフが気つかって、ちょっと美人にして(くれた)」嬉しそうに話した。キラキラした星が散らばる、さわやかな“中居くん”のイラストが気に入った様子。選曲に、番組名まで変えちゃうノリの良さ、細かいところから番組スタッフの歓迎ムードが伝わってきた。

プロデューサー中居


旅のエピソードは書ききれないほどあるが、中でも印象的だったのは中居が所々で発した言葉。冒頭でも、「ドローン好きだな。ちゃんとしたカメラ一台しかないのに、ドローンの登場がすごい多いんだけど。バランス悪くない?だったらちゃんとしたカメラ二台にして…」と構成を考えていた。

街中でバッテリー切れの土方Dと出川を置いて、中居が充電先を探しに出たシーン。カメラが追い付かず、番組APの男性がスマホで中居を撮影。ちょっとしたハプニングを見越しての発言だったのか。
他にも「哲っちゃん今度さ、夏さ、24時間マラソンじゃなくて24時間バイクやれば?ゴールテレビ東京にしてさ、日テレの裏で」と、ド派手な企画をぶち込む中居P。夕日が見えると「“暮れなずむじゃん”。ここドローンなのに、んでこういう時にドローンいねぇんだな。この夕日ドローンじゃないですか」。

実際にこの景色をドローン撮影した映像は、田んぼのグリーンから日が落ちた淡い色のグラデーションがきれいだった。走りながら的確な指示出し、お見事!

普段は、司会を担当することが多い中居。今回はゲスト出演で、気持ち的に多少のゆとりはありそうだが、運転しながら撮れ高や企画、演出とずっと何かしら考えていたようだ。

スターの去り際


翌日。ゴールを目指して走り出すと、道中で89歳のおばあちゃんに「中居くんでしょ?」と声をかけられていた。中居に対しては「細い」「イケメン」、出川には「出川さんは変わらない」とおばあちゃん。沿道に集まった人だかりに、中居のコンサートうちわも何枚か見られた。子どもからおばあちゃんまで、どこに行っても「中居くん(ハート)」「かわいい」「顔小さい」と歓迎されていた。

最後は、3人で日帰り温泉へ。露天風呂に出川と土方Dが風呂に浸かっている隙に、中居は「俺、中でシャワー浴びてくる」と一人別行動をとったまま、戻ってくることはなかった。

着替えを済ませて、各所に挨拶。ステッカーを手渡し、自ら「写真撮りましょうか」とサービス精神旺盛な中居。流れてきたSMAP「ありがとう」も相まって、グッとくるものがあった。
その後、出川と土方Dは無事にゴールしたが、3つのスイカヘルメットが2つになった映像は、ぽっかり穴があいた状態で寂しかった。「さよなら」の言葉を置き手紙にしたのは、中居も寂しかったのか。いつかまた第二弾を!という意味だろうか。
(柚月裕実)