
柚月裕実の「Weekly“J”」#20<3月13日〜3月20日>
草なぎ剛
アイドルファン歴25年超の筆者が一週間の出来事からトピックを紹介するこのコーナー。3月13日からの一週間より、印象的なトピックスをご紹介します。【関連レビュー】草なぎ剛「『ミッドナイトスワン』は神様からのご褒美」今なお広がり続ける感動
「いや、あの……マジっすか。
草なぎ剛は、驚きながらも、言葉を重ねるごとに落ち着きを取り戻した様子で語った。
3月19日「第44回日本アカデミー賞」授賞式が行われ、内田英治監督、草なぎ剛が主演を務めた映画『ミッドナイトスワン』が最優秀作品賞を受賞、そして草なぎが、最優秀主演男優賞を受賞した。
草なぎが演じた凪沙(なぎさ)は、新宿のニューハーフショークラブで働くトランスジェンダー。故郷から親戚の娘・一果(いちか)を預かることになり、凪沙と一果が少しずつ心を通わせていく。
広島で実の母親と暮らしていたものの育児放棄状態だった一果にとって、絶望と孤独から救う一筋の光がバレエだった。一果役は、バレエ経験を前提に一般公募で選ばれた服部樹咲。本作で女優デビューを果たした。
ラジオ番組『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm)でも、香取慎吾と共に作品について度々語ってきた草なぎ。周囲やSNSでの反響に驚き、凪沙をはじめとする作品について、「神様からのご褒美」と表現して喜びを語った。
また、香取も「僕、お芝居もうやめようと思ったんですよ。あまりにも草なぎ剛という俳優が素晴らしくて」と語ったほど。
それだけに、香取の言葉の端々からは草なぎの演技に感動した様子、ちょっぴり知らない一面に動揺を隠せない雰囲気も薄っすらと感じた気がするが誇らしげに語り、出演の喜び、ヒットの喜びを一つずつ噛みしめるように祝っていた。
5人の俳優陣の中央にトロフィーを手にした草なぎ
表彰式では、まず主演男優賞の受賞者が登壇し、横並びでトークを交わした。壇上には、画面左からMCを務めたシム・ウギョンと羽鳥慎一、その隣に小栗旬、草なぎ、佐藤浩市、菅田将暉、二宮和也の並びで着席した。一人ずつトークタイムが設けられ、羽鳥からどういったことを考えて撮影を進めたかと聞かれると、「はい、最初に脚本を読んだときになんかすごく自分のなかから…こう……どういう感情かわからない涙がすごい溢れてきたので、なんか難しいことを考えずに、あの、観客の方に僕自身が最初に流した涙の気持ちみたいなのを伝えられればなと思って」。
羽鳥から役作りのために脱毛をしたエピソードを振られると、「気持ち良かったですね。最近は男性もエステに通う人がたくさんいらっしゃってて、チクチクピリピリしてて、病みつきになりそうかな(笑)」と場の緊張した雰囲気を和らげるようだった。
初受賞について「一味もふた味も違う」と語り、受賞にあたって小栗が「ソワソワ」と語ったオノマトペをなぞり、「チクチクというか」と、脱毛と緊張の2つの意味を込めたのか、これまたユニークな言葉選び。
シム・ウギョンから「授賞式で会うのを楽しみにしている方がいらっしゃるんですよね?」と聞かれると、「みなさんそうなんですけど」と前置きし、「もう小栗くんもそうですし、二ノちゃんもそうですし、浩市さんは先日番組にいらっしゃっていただいて……」と全員に言葉をかけていた。このさりげない気配りがつよぽんらしい。
そして菅田将暉と5年ほど前に番組で共演したエピソードを挙げ、「番組で名古屋の方のおすすめの公園に連れてってもらいまして、それがすごく印象的で。それから菅田くん……めちゃくちゃ活躍されてたので、あの…もっと良くしておけばよかったなと(笑)」。
突然のラブコールに菅田は、「光栄ですね。一緒に公園に行ったこと覚えててくださって。また行きましょ」とお誘い。ほのぼのとした温かい雰囲気が伝わってきた。
先輩、後輩、ライバル、噂される大人の事情……いろんなものをひょいと飛び越えるような、寛大でまっすぐで、血の通った温かいものを感じた。

そして、最優秀主演男優賞の発表へ。名前を呼ばれると深々と何度も挨拶をした草なぎ。
「頭真っ白になってしまって。今まで、皆さんとお仕事をさせていただいたこととか、仲間の皆さんに応援していただいていることとか、そうですね……慎吾ちゃんとか吾郎さんとか、本当に近い人たちが支えてくれて、今日ここの舞台に立てたんだなと思って嬉しいです」
きっと「仲間」とはNAKAMA=ファンの意味だろう。
映画作品についての思いを語り、「一人ひとりの人生がよりよく自由に全うできるような、そんな作品作りと、人との関わりの中で、これからも自分の人生を全うしていきたいと思います」。
SMAPから新しい地図へ、そして凪沙という役に出会った、草なぎらしい言葉だった。緊張感も伝わってきたが、草なぎといえば“お気楽に”もキーワード。
最後に、トロフィーを手にした草なぎを中心に、5人の俳優陣が歩くシーンが印象的だった。昔から変わらない親しみやすさと謙虚さのなかに、確かな存在感と貫録を感じた。
●柚月裕実の「Weekly“J”」アーカイブ
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柚月裕実
Web編集/ライター。ジャニヲタ。アイドルがサングラスを外しただけでも泣く涙腺ゆるめな30代。主にKAT-TUNとNEWSですが、もはや事務所担。
@hiromin2013