伊藤忠商事の100%子会社である伊藤忠プラスチックス(以下「CIPS」)は、11日付けで協栄電気の全株式を取得する契約を締結、子会社化した。

 協栄電気は1951年に設立され、電源周りの部材・部品の販売・加工を手懸け、いち早く中国・台湾をはじめとするアジアに進出して販売網を構築。
きめこまやかなユーザー対応で、国内外の大手トランスメーカーや電子機器・電子部品メーカー等に販路を確立して安定した成長を遂げている。CIPSの4つの事業セグメント(樹脂原料、電子材料、食品包装材料、産業資材)の一つである電子材料分野では、これまで液晶や二次電池等にウエイトを置いた事業展開を行なってきたが、協栄電気が得意とする電源周辺分野の事業を加えることにより様々な新たな展開が可能。また、先端電子材料分野を中心としてきたCIPSの既存ポートフォリオに、協栄電気のベーシックな商材による安定収益を付加することにより、収益構造を補完し、安定化を図ることができる。

 CIPSと協栄電気は、これまで約3年間、取引や人的交流を通じて互いの企業文化・風土、業務内容などにつき理解を深めるともに、補完関係やシナジーにつき検討・協議を重ね、今般の買収につき最終合意に至った。買収実行後も協栄電気の自主性・マネジメント体制を維持し、人材・販売チャンネル・拠点・ノウハウ等の経営リソースを共有し、お互いの強みを生かすことで、一層の顧客サービスの拡充を図る。また協栄電気・CIPSの拠点に加え、伊藤忠商事の中国・台湾・アセアンの各現地法人との協業を図り更なる収益機会の増大を狙い、アジア地域を中心に据えた成長戦略を実行していく。


 円高や震災の影響が残る国内、また米国・欧州・アジア各経済ブロックに於ける金融財政状況等に鑑みと、今後周辺環境は一層厳しさを増すと思われるが、今後は力を合わせ、より強固な基盤をベースとして共に成長を目指す。