成長期限定ユニット“さくら学院”2013年度の生徒会長も務め、現在は声優アーティストとして、声優、歌、舞台など幅広く活動する堀内まり菜。彼女はアイドルからどのように声優アーティストへと転身したのか、ここに至るまでの過程を振り返りつつ、最新楽曲『水鏡の世界』に込めた思いなど聞いた。

(前後編の前編)

【写真】声優アーティストとして活躍する堀内まり菜【4点】

──堀内さんは、さくら学院というユニットに所属されていましたが、最初はどういうきっかけでこの世界に足を踏み入れることになったのですか?

堀内 2歳くらいからヤマハ音楽教室に通っていて、小学生の時は友達と組んで地元のお祭りで踊ったり歌ったりしていたんです。その友達から小学館の雑誌『ちゃお』のオーディションを一緒に受けようと誘われて。私も歌が好きだったし、当時は『きらりん レボリューション』というアイドルを題材にした漫画が流行っていて、主人公の月島きらりちゃんに憧れていたので受けることにしました。優勝はできなきなかったけど入賞することができて、そこでアミューズに所属し、レッスンを受けることになりました。

──最初に関わったグループは?

堀内 最初は、ミニパティという3人組のユニットです。先輩ユニットとして武藤彩未さん、中元すず香さん、島ゆいかさんによる“可憐Girl’s”さんがいらっしゃって、可憐Girl’sさんの任務完了ライブが私たちのお披露目となり、私が人前に出る活動を始めた最初になりました。それがだいたい小学4~5年生の時です。

──その後間もなくして、さくら学院が開校された。堀内さんは第1期生なんですよね。

堀内 はい。当時は武藤彩未ちゃんが生徒会長を務め、三吉彩花ちゃん、松井愛莉ちゃん、中元すず香ちゃん、佐藤日向ちゃん、菊地最愛ちゃん、水野由結ちゃん、一緒にミニパティをやっていた飯田來麗ちゃん、杉﨑寧々ちゃんなどがいました。

──そうそうたるメンバーで、皆さんその後は女優、モデル、アーティスト、声優など、それぞれ違った道に進んでいます。
堀内さんが声優アーティストの道を選んだきっかけは何だったのですか?

堀内 中学2年生の時に職員室の先生(マネージャー)から、アニソンのCDを「聴いてみたら?」って渡されたんです。当時は「魔法少女まどか☆マギカ」にハマっていたのもあって、アニメに関わる仕事にも興味を持っていたのですが、アニソンにはそこまで詳しくなく初めて聴く曲もいっぱいありました。その中に収録されていた『星間飛行』(「マクロスフロンティア」劇中歌)を聴いた瞬間、電車の中だったんですけど、目の前に宇宙空間が広がったほどの衝撃を受けて、アニソンの世界っていいなって。もともとミュージカルも好きだったし、次元に関係なくいろんな世界観を歌で表現できる人になりたいと思っていたので、アニソンはまさしくそういう一つだなと思って。

──もらったCDは、どういうものだったのですか?

堀内 アニソン好きの先生で、オススメの曲をたくさん教えてもらいました。他に『創聖のアクエリオン』や「涼宮ハルヒ」シリーズの『Super Driver』など有名なアニソン、水樹奈々さんの『You have a dream』など声優さんの楽曲もありました。振り返ってみると、礒部花凜ちゃん、熊田茜音ちゃん、吉武千颯ちゃんと活動しているコーラスユニット“ヒーラーガールズ”でカバーさせていただいた曲もたくさん入っていて。アニソンというものにすごく夢を抱かせてもらった、きっかけの1枚になりました。その時の先生は、今もすごく応援してくださっていて、1stライブや舞台も観に来てくれました。マネージャーさんですけど、まさしく“恩師”と呼べるような存在です。

──さくら学院は成長期限定ユニットで、中学3年でユニットを卒業します。卒業してからは?

堀内 そんなに上手くはいきませんでした。
グループに所属するということが、いかに恵まれた状況であったかを痛感しました。周りにいるたくさんの大人の方が、本番の舞台を用意してくれていて、お客さんの前に立てるチャンスが当たり前のようにあった。それがいざなくなると、自分でそれを掴みに行かなくちゃいけないし、気持ちを表現してそれを受け取ってくれる人がいる環境が当たり前じゃなかったことに、すごく打ちのめされたみたいな感じでした。

──さくら学院という看板が守ってくれていた。

堀内 その時期は、まだ少しずつお仕事はありましたけど、ずっと空回りしていました。頭でばっかり考えちゃうから全然上手くできなくて、事務所のレッスンでもいつも怒られてばかりでした。高校3年生の時は、「私がここにいていいのだろうか?」と心が揺らいだこともありましたけど、やっぱり好きなことを諦めきれず、もっとがんばろうと思ったわけです。

──そのときに、同期の誰かに相談したりしたんですか?

堀内 そうですね。レッスン帰りにたまたま2人になったりした時とか、私の様子に気づいてくれる子もいて。同期でミニパティの頃からずっと一緒の飯田來麗ちゃんは、弱気になっていた私に「まり菜は声優アーティストになりたいんでしょ!」って言ってくれて、その言葉が今でも励みになっています。

【後編はこちら】元さくら学院・堀内まり菜が抱えた悩み「私はもう子供じゃないけど、それではダメなのかな?」
編集部おすすめ